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公開日:2026.10.31
最終更新日:2026.10.30

手のしびれ、細かい作業できない……原因は頚椎脊柱管狭窄症かも?症状や日帰り治療の選択肢

手のしびれや細かい作業のしづらさが続いている場合、肩こりは手そのものが悪いのではなく、首に原因があるのかもしれません。頚椎で脊柱管狭窄症を発症すると、首周りの神経の通り道が狭くなり神経圧迫を引き起こします。結果、手足の症状や歩きにくさが出現するのです。この記事では、原因や症状、一般的な治療法に加え、当院で行う日帰り治療について解説します。

<コラム監修者>

田中聡院長

田中聡(たなか さとし)

表参道総合医療クリニック院長


大阪医科大学医学部卒業。救急車搬送が日本で一番多い「湘南鎌倉総合病院」や「NTT東日本関東病院」にて脳神経外科医として脊椎・脊髄疾患、脳疾患、がん患者の治療に従事。その後、稲波脊椎関節病院で脊椎内視鏡、森山記念病院で脳・下垂体の内視鏡の経験。様々な患者様を診療するようになりました。しかし、脳出血や脳梗塞の方は、手術をしても脳機能自体は回復しないため、麻痺は改善しません。また腰痛が改善しなかったり、手術後も痛みやしびれが残る後遺症に悩まされている患者様を見てきて、「現代の医療では解決できない問題を治療したい」と表参道総合医療クリニックを開院しました。開院後、多数の腰痛日帰り手術や、再生医療などを行い、多方面から高い評価をいただいています。

┃1.頚椎の脊柱管狭窄症とは

首は「頚椎」と呼ばれる7つの骨が連なってできており、骨と骨の間には、衝撃をやわらげる椎間板があります。その中央を通っているのが、脳から続くトンネルのような空間で脊髄を守る役割を担う「脊柱管」。この脊柱管が狭くなった状態を脊柱管狭窄症といいます。これが首回り、つまり頚椎に出現すると、「頚椎脊柱管狭窄症」といいます。

脊柱管が狭くても無症状なこともありますが、内部の脊髄や、そこから枝分かれする神経根が圧迫されると、さまざまな神経症状が出現します。

┃2.頚椎の脊柱管狭窄症の主な原因

頚椎の脊柱管が狭くなる背景には、加齢に伴う椎間板や骨、靭帯の変化があります。

椎間板は年齢とともに水分や弾力を失い、次第に薄くなったり亀裂が入ったりすると、一部の頚椎に負担が集中し、周囲に「骨棘」と呼ばれる骨の突起が形成されることがあります。椎間板の変性や骨の変形が脊柱管へ張り出すことで、内部の神経が圧迫されてしまうのです。

椎間板の亀裂から髄核が飛び出す頚椎椎間板ヘルニアも、脊柱管を狭める原因の一つ。飛び出した位置によっては、脊髄だけでなく、そこから枝分かれする神経根が圧迫されることもあります。

このほか脊柱管の後方にある黄色靭帯が厚くなることや、脊髄の前側にある後縦靭帯が骨のように硬くなる「頚椎後縦靭帯骨化症」によって、神経の通り道が狭くなる場合も。ただ、これらの変化は単独で起こるとは限らず、複数が重なって症状につながるケースも少なくありません。

┃3.頚椎の脊柱管狭窄症で現れる症状

頚椎の脊柱管狭窄症では、神経が圧迫される位置によって症状の出方が変わります。

神経根への圧迫が中心であれば、首や肩の痛みから始まり、片側の腕や手指へしびれが広がる傾向があります。「腕が重い」「力が入りにくい」と感じ、握力の低下に気づく方もいます。

脊髄まで圧迫されると、影響は手だけでなく足にも及びます。日常生活では、次のような変化が目立つようになります。

  • 箸やペンをうまく使えない
  • ボタンを留めるなどの細かな動作に時間がかかる
  • 足が前に出にくく、階段の上り下りに不安を感じる
  • 歩くとふらつく、真っすぐ歩きにくい

圧迫が強くなると、足のつっぱりや歩行障害が進み、排尿や排便の機能に影響することも。首に強い痛みがなくても、手先の使いにくさや歩きにくさから気づくケースがあるため、首の症状だけで判断することはできません。

┃4.一般的な治療法

治療法を決める際は、症状だけでなく、神経の圧迫部位や頚椎の安定性を確認する必要があります。一般的には、レントゲン検査、MRI検査、CT検査などを行います。

特にMRI検査は、脊髄や神経根、椎間板の状態を確認するうえで重要です。画像上の狭窄だけで判断するのではなく、症状や筋力、感覚、歩行状態なども含めて治療方針を決めます。

<保存療法>

症状が軽い場合は、まず保存療法が検討されます。

  • 頚椎カラーによる装具療法
  • 消炎鎮痛薬
  • 筋弛緩薬
  • 神経障害性疼痛治療薬
  • 神経ブロック注射
  • 理学療法

保存療法は、痛みやしびれを抑え、首への負担を軽減することが目的です。狭くなった脊柱管そのものを広げる治療ではありません。

<手術療法>

保存療法を続けても痛みやしびれが十分に改善しないときや、筋力の低下、歩行障害によって日常生活への影響が大きくなっているときは、神経の圧迫を取り除く手術が選択肢となります。

頚椎の手術は、病変に到達する方向によって大きく分けられます。

【首の前側から行う手術】

神経を圧迫している椎間板や骨などを取り除き、必要に応じて頚椎を固定します。

【首の後方から行う手術】

椎弓と呼ばれる骨を持ち上げて脊柱管を広げ、脊髄への圧迫をやわらげます。代表的な方法が頚椎椎弓形成術です。

どちらを選ぶかは、神経が圧迫されている位置や狭窄の広がり、頚椎のぐらつきや変形などを確認したうえで判断します。麻痺や歩行障害の程度、年齢、全身状態も治療法を決める大切な要素です。

┃5.当院で行っている治療

薬やリハビリによる治療を続けても症状が改善しない場合は、画像検査や診察を通じて、神経がどこで、何によって圧迫されているかを確認します。

頚椎の脊柱管が狭くなる原因には、椎間板ヘルニアや骨の変形、靭帯の肥厚などがあり、適した治療は患者様の状態によって異なります。当院では、症状と検査結果を踏まえて治療方針をご提案します。

<PLDD法(経皮的レーザー椎間板減圧術)>

PLDD法は、椎間板内に細い針を入れ、レーザーを照射して椎間板の内圧を下げる治療です。椎間板を縮小させることで、神経への圧迫の軽減を図ります。頚椎椎間板ヘルニアが脊柱管や神経を圧迫している場合のうち、比較的軽度から中等度の症例で検討されます。局所麻酔で行い、原則として日帰りが可能です。ただし、PLDD法は飛び出した椎間板を直接摘出する治療ではありません。骨の変形や靭帯の肥厚が主な原因となっている場合や、脊髄への圧迫が強い場合には適さないことがあります。

費用 頚椎1カ所目:1,265,000円(税込)
2カ所目以降:1カ所につき275,000円(税込)
診療種別 自由診療
治療回数 日帰り
経過観察 1週間後の診察、1~2カ月後のMRI検査と診察

※腰椎に対するPLDD法は、初回1カ所825,000円(税込)です。治療部位によって費用が異なります。

<主なリスク・副作用>

  • 治療後の痛みやしびれ
  • 筋肉の張り
  • 皮下、筋肉内の出血
  • 感染
  • 椎間板炎
  • 椎体壊死、骨折
  • 神経障害
  • 局所麻酔薬や抗生物質によるアレルギー

<PECF(経皮的内視鏡頚椎椎間孔拡大術)>

PECF法は、皮膚を約8mm切開し、そこから細い内視鏡を入れて、神経を圧迫しているヘルニアや骨の一部を取り除く治療です。頚椎椎間板ヘルニアや頚椎症性神経根症によって、腕や手の痛み、しびれが続いている場合に検討されます。椎間板の内圧を下げ、ヘルニアの縮小を促すPLDD法に対し、PECF法は圧迫の原因となっている部分を内視鏡で直接取り除く方法です。大きく切開する必要がなく、症状によっては日帰りで治療を受けられます。

PECF法が適しているのは、主に神経根の圧迫によって腕や手に症状が出ているケースです。脊髄が強く圧迫されている場合や、狭窄が広い範囲に及んでいる場合には、ほかの手術が必要になることがあります。MRIなどで圧迫の位置や広がりを確認し、適応を判断することが重要です。

費用 1カ所1,540,000円(税込)
診療種別 自由診療
治療時間 約120分

<主なリスク・副作用>

  • 内出血や腫れ
  • 痛み、圧痛、しびれ
  • 皮下や筋肉内の出血
  • 皮膚のかゆみや変色
  • 椎間板炎
  • 椎体壊死や骨折
  • 局所麻酔薬、抗生物質によるアレルギー

┃6.日帰り治療には適応の見極めが必要

同じ頚椎の脊柱管狭窄症でも、狭窄の原因が椎間板にあるのか、骨や靭帯にあるのかによって適した治療は変わります。神経が圧迫されている位置や範囲、症状の進み方も一人ひとり異なるため、日帰り治療ですべてのケースに対応できるわけではありません。

当院では、症状や手足の動き、感覚などを確認し、MRI・CT画像とあわせて治療方針を検討します。次のような状態では、入院を伴う手術が必要になることがあります。

  • 脊髄への強い圧迫
  • 進行する手足の麻痺
  • 歩行障害
  • 排尿、排便機能への影響
  • 頚椎の強い変形や不安定性
  • 広い範囲に及ぶ脊柱管の狭窄

傷が小さい、日帰りで受けられるといった点だけで治療法を決めることはできません。何が神経を圧迫しているのか、頚椎の安定性が保たれているかまで確認したうえで、ご自身の状態に合った方法を選ぶことが大切です。

当院では、症状や画像所見をもとに、保存療法から日帰り治療、必要に応じた手術まで幅広く検討し、患者様の状態に合った治療法をご提案しています。手のしびれや細かな動作のしにくさ、歩きにくさなどでお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

┃7.よくある質問

<Q1.頚椎の脊柱管狭窄症は、必ず手術が必要ですか?>

必ずしも手術が必要とは限りません。症状が軽い場合は、装具療法、薬物療法、理学療法、神経ブロック注射などの保存療法から始めます。ただし、筋力低下や歩行障害が進んでいる場合、排尿や排便の機能に影響が出ている場合などは、手術が必要になることがあります。

<Q2.頚椎椎間板ヘルニアと脊柱管狭窄症は同じ病気ですか?>

同じ病気ではありません。頚椎椎間板ヘルニアは、椎間板の一部が飛び出した状態です。一方、脊柱管狭窄症は、神経の通り道である脊柱管が狭くなった状態を指します。また、椎間板ヘルニアが脊柱管へ張り出し、脊柱管狭窄症を引き起こすこともあります。

<Q3.頚椎の脊柱管狭窄症は日帰りで治療できますか?>

頚椎椎間板ヘルニアが神経を圧迫しているケースでは、状態に応じてPLDD法やPECF法
による日帰り治療が選択肢となります。一方、脊髄への圧迫が強い、麻痺が進んでいる、歩行障害や頚椎の不安定性がみられるといった場合は、入院を伴う手術が適していることもあります。MRIやCT画像だけでなく、症状や手足の動き、感覚なども確認したうえで、治療の適応を判断します。

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