変形性膝関節症

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変形性膝関節症とは

変形性膝関節症とは変形性膝関節症とは、主に加齢を原因として、膝の軟骨がすり減り、歩行時などの動作時に膝の痛みに見舞われる病気です。
放置して進行すると、関節の破壊・変形も進んでいき、日常生活に大きな支障をきたすようになります。また、次第にO脚が進んでいきます。

変形性膝関節症の原因

変形性膝関節症の主な原因は加齢ですが、それ以外にもさまざまな要因が影響します。

加齢

誰でも、加齢によって少しずつ膝関節の軟骨がすり減っていきます。

筋肉の衰え

下肢の筋肉が衰えると、身体を下方で支える膝関節の負担が大きくなり、軟骨のすり減りが早くなります。

肥満

肥満も筋肉の衰えと同様に、膝への負担を増大させる要因です。体重が変わっていない場合も、筋肉が減り脂肪が増えている場合には、より大きな負担が膝関節にかかってしまいます。

O脚・X脚

O脚やX脚は、いずれも膝の位置が不安定となり、その関節にかかる負担が増大します。

膝関節の損傷

激しい運動、転倒などによって半月板損傷や靭帯損傷が起こり、膝関節が傷つくと、中高年以降で変形性膝関節症を発症するリスクが高くなると言われています。

女性の方が多い?女性の変形性膝関節症

女性の方が多い?女性の変形性膝関節症

変形性膝関節症の患者数を男女別でみると、女性患者は男性患者の約4倍にのぼります。
その理由には、以下のような要因があるものと考えられます。

エストロゲンの分泌の低下

男女とも加齢によって性ホルモン(テストステロン、エストロゲンなど)の量は低下していきますが、女性の場合は閉経を境にその量が極端に低下します。骨・軟骨・筋肉の健康と関係しているエストロゲンの量が減少することで、変形性膝関節症のリスクが高くなります。

筋力量が少ない

平均的に見ると、女性は男性より筋肉量が少なくなります。そのため、膝関節への負担も大きくなりやすく、軟骨のすり減りが早くなるのではないかと言われています。

変形性膝関節症の発症や
進行させる可能性がある危険因子

変形性膝関節症の発症、進行に影響する危険因子としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 加齢
  • 女性
  • 肥満
  • 筋力の低下
  • 膝へ慢性的な負担をかける生活や仕事など
  • O脚など下肢の変形
  • 遺伝

世代別では、40歳以降に発症数が顕著に伸びていきます。

変形性膝関節症の症状

変形性膝関節症の主な症状は、膝を動かしたときの痛みです。
段階を経るにつれて、その程度は重くなっていきます。

初期

立ちあがったとき、踏み出したときなどに膝に痛みを感じます。ただ、動いているうちに症状は和らいでいきます。
また、安静時には痛みがありません。

中期

動作時の痛みが続いたり、頻度が多くなったりします。
中期における典型的な症状として、以下のようなものが挙げられます。

  • 膝の内側が特に痛む
  • 階段の上り下りが辛い
  • O脚になる
  • しばらく安静にしていると痛みが和らぐ

末期

動作時だけでなく、安静にしているときにも痛みが現れます。
また動作時には強い痛みに見舞われ、立ち座りや歩行の困難、脚をまっすぐ伸ばせないといったように、日常生活に大きな支障をきたします。膝関節の変形も目立つようになります。

変形性膝関節症の
検査

変形性膝関節症は、問診、触診、画像検査などを行い、その進行の程度を評価します。

問診・診察

膝の痛みがどのようなときに現れるか・悪化するか、曲げ伸ばしの状態、腫れや変形の有無などを調べていきます。

検査

レントゲン検査、MRI検査などを行います。また、関節リウマチなどの他の疾患との鑑別のため、血液検査・関節液検査を行うこともあります。
変形性膝関節症の進行度の分類

検査によって、変形性膝関節症の進行の程度を以下のように分類し、治療法の選択に活かします。

変形性膝関節症の進行度分類 ( Kellgren-Lawrence分類)

グレード0 正常です。
グレードⅠ 骨棘、関節裂隙狭小化が生じている可能性があります。
グレードⅡ 明確な骨棘が認められます。また、関節裂隙狭小化が疑われます。
グレードⅢ 複数の骨棘があり、明確な関節裂隙狭小化があります。また、骨硬化、骨端部変形の可能性があります。
グレードⅣ 大きな骨棘があり、著しい関節裂隙狭小化、高度の骨硬化、明確な骨端部変形があります。

変形性膝関節症の治療法

変形性膝関節症の治療法をご紹介します。

保存療法

保存療法では、生活習慣の改善を柱とし、これに運動療法や薬物療法、装具療法を組み合わせます。

生活習慣の改善

ストレッチ、筋力を高めるトレーニングなどを普段の生活に取り入れるよう指導します。
また必要に応じて、食事療法・運動療法を組み合わせたダイエットを行います。

運動療法

膝まわりの筋肉を強化して膝関節への負担を軽減する運動を行います。
ご自宅でも取り組んでいただけるSLR運動がよく知られています。

SLR運動(脚あげ体操)の方法

1.仰向けになります。
2.片膝を立て、反対側の脚はまっすぐ伸ばしたままにします。
3.伸ばした脚を10センチだけ浮かせ、5秒間静止します。
4.左右の脚を入れ替えて、「2」と「3」を行います。

薬物療法

内服薬、外用薬、関節内注射を用いた薬物療法を行います。

内服薬

非ステロイド性消炎鎮痛剤、解熱鎮痛剤などを用います。

外用薬

非ステロイド性消炎鎮痛剤の貼り薬・塗り薬を使用します。

関節内注射

関節機能改善剤、ステロイドを関節内注射します。

PRP(幹細胞治療)

患者様ご自身から採取した血液でPRP(多血小板結晶)を作り、膝に注射する治療です。
軟骨や半月板の修復を促しながら、関節の炎症が抑制されることで、痛みの改善が期待できます。

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手術

内視鏡により膝関節をきれいにして半月板を修復する「関節鏡手術」、骨の形を矯正し膝関節の負担を軽減する「骨切り術」、人工関節へと置き換える「人工膝関節置換術」などがあります。

変形性膝関節症の予防や
悪化しないための注意点

変形性膝関節症は、膝の軟骨がすり減ることで発症・進行します。
変形性膝関節症を予防するため、また改善するためには、以下のような点に気をつけることが大切です。

生活習慣の注意点

  • 肥満の方は、食事改善と運動を組み合わせたダイエットをする
  • 正座はできるだけ避け、椅子に正しく座る
  • 和式トイレではなく、洋式トイレを使用する
  • 重いものを持つ・運ぶことはできるだけ避ける
  • 太ももの筋肉(特に前面の「大腿四頭筋」)を鍛える
  • 禁煙する
  • 節酒、禁酒する
  • 膝を冷やさない
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