くも膜下出血

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くも膜下出血とは

くも膜下出血とは

頭蓋骨の内側には、脳を守る3つの層があります。その層を外側から「硬膜」・「くも膜」・「軟膜」と呼びます。
くも膜下出血は、くも膜と軟膜のあいだ(くも膜下腔)の動脈が破裂し、急激に血液が流入した状態のことを指します。
バットで殴られたような激しい頭痛とともに、吐き気や嘔吐、意識障害、けいれんなどの症状も見られます。命にかかわる、緊急事態です。症状に気づいたら、一刻も早く受診する必要があります。

くも膜下出血の症状は
大きく3つ

  • 激しい頭痛
  • 意識障害
  • 嘔吐

頭痛はしばしば「バットで殴られたような激しい頭痛」と表されます。上記以外にも、けいれんや吐き気(嘔吐には至らない)が見られることもあります。

くも膜下出血の前兆とは
どのような症状なの?

くも膜下出血の前兆とは

くも膜下出血は、特徴的な前兆症状を有します。通常、前兆症状が現れるとその後消失し、それからくも膜下出血を起こします。つまり、症状が治まるか・治まらないかに関係なく、受診の必要があるのです。

  • 頭痛(それほど強くない「警告頭痛」)
  • 血圧が激しく上下する
  • 視力低下
  • 吐き気、嘔吐
  • めまい、意識障害

くも膜下出血などの重大な病気の前触れとして現れる頭痛を、「警告頭痛」と呼びます。警告頭痛はそれほど強くはないため、単独での見極めは困難です。頭痛だけでなく他の症状が現れた場合には、すぐに受診するようにしてください。

くも膜下出血は朝に起きやすい!?

くも膜下出血は、24時間いつでも発症し得る病気です。
ただ傾向として、朝方の発症が多くなります。これは、朝起きて活動を開始することで、急激に血圧が上がるためだと言われています。
排便時、性交時も同様の理由で、発症のタイミングになりやすい傾向があります。

くも膜下出血の原因には
外傷性と非外傷性が
あります

くも膜下出血の原因には外傷性と非外傷性があります

くも膜下出血は、大きく外傷性と非外傷性に分けられます。

外傷性くも膜下出血

外傷性くも膜下出血は、事故などで頭部を打ち、血管が損傷することで発症します。

非外傷性くも膜下出血

一方で非外傷性くも膜下出血では、外傷以外の原因によって発症します。
このうち、次にご紹介する脳動脈瘤の破裂によって起こるくも膜下出血が、外傷性・非外傷性のくも膜下出血全体のうち約85%を占めます。

脳動脈瘤の破裂

くも膜の内側の動脈に生じたコブを、脳動脈瘤と呼びます。脳動脈瘤が破裂することで出血をきたし、くも膜下出血に至るケースです。
なお、すべての動脈瘤が必ず破裂するわけではありませんが、コブが大きいほど一般に破裂のリスクは高くなります。

脳動静脈奇形

先天的な血管の形態異常を指す「脳動静脈奇形」は稀な病気ですが、破裂しくも膜下出血や脳出血を起こす可能性があります。

その他

脳腫瘍から出血してくも膜下出血を発症するケース、原因が不明のケースも見られます。

どうして
脳動脈瘤ができるの?

嚢状動脈瘤

脳血管は外側から「外膜」「中膜」「内膜」で構成されています。
脳動脈瘤が発生する部位では、このうちの「中膜」が欠損しています。このことで血管が血圧に耐えられず、膨らんで動脈瘤が発生するのです。このような過程を経て生じる動脈瘤を、「嚢状動脈瘤」と呼びます。

その他の動脈瘤

脳動脈の壁を構成する内弾性板が急激に断裂し、血液が中膜に流れ込んで発生する「解離性動脈瘤」、菌への感染を原因として発生する「真菌性動脈瘤」などがありますが、いずれも非常に珍しいケースです。

くも膜下出血に
なりやすい人や男女比は?

くも膜下出血患者の男女比を見ると、「男性:女性=1:1.88」と女性の方が多くなっています。
そして、この男女差は60歳以降で拡大していきます。それ以下の年代では顕著な男女差は見られません。
これは、女性が閉経を境に急激にエストロゲンの分泌量が低下することが影響していると言われています。エストロゲンの持つ抗動脈硬化が、エストロゲンの分泌量低下とともに下がっていくために、脳動脈瘤およびその破裂のリスクが高まるものと考えられます。

くも膜下出血による生存率や社会復帰は可能なの?

くも膜下出血を含む脳の病気は、さまざまな病気の中でも「死亡率が高い」「社会復帰が難しい」というイメージがあります。
実際に、どれくらいの死亡率なのか、社会復帰は可能なのか、説明いたします。

くも膜下出血による
死亡率はどれくらい?

性別・年齢を問わずに患者全体を見た場合、くも膜下出血の死亡率は約40%です。
また、生存した人のうちの約半分が後遺症に悩まされます。つまりもう半分の方々は、社会復帰をされている、ということになります。

死亡:40%
後遺症発症:30%
社会復帰:30%

次に年代別で見てみると、死亡率は年代が上がるとともに、高くなっていきます。

年代別

40歳代で発症の場合:死亡率10%
50歳代で発症の場合:死亡率20%
60歳代で発症の場合:死亡率25%
70歳代で発症の場合:死亡率50%

「自力で医療機関を受診したケース」と「意識不明で運ばれたケース」を比べると、前者の生存率が80~90%になるのに対し、後者の生存率は10~20%に留まります。
警告頭痛を含めた前兆に気づいた段階で受診することが、いかに重要であるかが分かります。

社会復帰はできる?

くも膜下出血は社会復帰はできるは

先述の通り、くも膜下出血を発症した場合の生存率は約60%です。そしてそのうちの約半分が、社会復帰をされています。
ただ、生存率と同様に、社会復帰率も、自力で受診できたか・意識不明で運ばれたかによってその数字が大きく異なります。
自力で受診できたケースでは約70%が社会復帰をされていますが、意識不明で運ばれたケースで社会復帰できたのはわずか10%程度に留まります。
生存率を高めるため、その上で社会復帰を目指すためには、前兆に気づいた段階で医療機関を受診することが何よりも大切になるのです。

くも膜下出血の検査・治療

検査

問診の上、CT検査またはMRI検査で出血を確認し、診断します。
必要に応じて、腰から針を刺して髄液検査を行います。
※当院ではMRI検査は行っておりませんので、MRI検査が必要な場合は関連の医療機関をご紹介いたします。

治療

くも膜下出血で生じた出血も自然に止血されますが、急性期の頭蓋内圧の上昇や再発を回避するため、再出血を防ぐ治療が最優先されます。

内科的治療

再出血を防ぐため、主に降圧剤を使用します。それ以外にも必要に応じて鎮痛薬・鎮静剤を併用します。

 外科的治療

それぞれの手術のメリット・デメリットを考慮しながら、患者様の年齢、病態などに応じた術式の選択が必要です。

コイル塞栓術

脚のつけ根から挿入したカテーテルを介して、脳動脈瘤へとコイルを送り込み、塞栓します。
脳動脈瘤への血流を阻害することで、再破裂を防ぎます。低侵襲の手術として、ご高齢の方の場合に選択されることが多くなります。

開頭クリッピング術

開頭し、脳動脈瘤の根元にクリップをかけ、脳動脈瘤への血流を阻害します。
侵襲は大きくなりますが、目視下で行う直接的な手術として、同部位での再発リスクを低く抑えられます。

 再生医療

今までは、一度死んでしまった脳細胞は戻らないと言われておりましたが、当院では患者様から取り出した幹細胞を培養し、再投与することでくも膜下出血によって傷ついた血管や神経の修復が可能です。また、この再生医療は。機能不全の脳細胞を復活させ、くも膜下出血の後遺症の改善や予防に効果が期待できる治療法です。

食事や運動習慣で
くも膜下出血を
予防しましょう

食事や運動習慣でくも膜下出血を予防しましょう

くも膜下出血は、生活習慣などに気をつけることで、そのリスクを下げることが可能です。

血圧コントロール

高血圧の方は、適切な治療で血圧をコントロールしましょう。毎日血圧を測定し、大きな変化があったときにはすぐに受診することが大切です。

食習慣の改善

栄養バランスの良い食事を摂ることを基本とし、あわせて高血圧の原因となる塩分の摂り過ぎに注意しましょう。
外食が多いと、どうしても塩分を摂りすぎてしまいます。自炊を中心にされることをおすすめします。

禁煙

喫煙をされている方は、禁煙をしてください。くも膜下出血の予防において、禁煙は明らかな効果が認められています。長く喫煙されていた方でも、禁煙をすることで非喫煙者と同等にまでくも膜下出血のリスクを下げることができます。

前兆を知っておく・
気づいたらすぐに受診する

このページでもご紹介している、くも膜下出血の前兆を把握し、気づいたときにはすぐに受診するようにしてください。

いつもと違う強い頭痛を
感じたらご相談ください

くも膜下出血の早期発見・早期治療のカギとなるのが、頭痛症状に対する適切な判断です。

バットで殴られたような強烈な頭痛

くも膜下出血が起こったときの頭痛は、「バットで殴られたような強烈な頭痛」と評されます。
このような頭痛があったときには、他の症状の有無に関係なく、即受診してください。

警告頭痛

くも膜下出血の前兆の1つに、「警告頭痛」があります。こちらはそれほど強さがないため、重大ではない頭痛との区別が難しくなります。
血圧の激しい上下、視力低下、吐き気、嘔吐、めまい、意識障害といった他の前兆症状が1つでも認められる場合には、すぐに受診するようにしてください。
もちろん、頭痛単独である場合も、念のために受診しておくのが安心です。

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