6種複合免疫療法

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「がん」と「免疫」

「がん」と「免疫」がん免疫療法とは、ひとことで言うと「免疫の力でがんを治療する」方法のことです。
人間の体は約60兆個の細胞で出来ています。1つの受精卵が数え切れないほどの分裂を繰り返しながら、皮膚、血管、筋肉、内臓など、様々な組織の細胞へと分化します。こうした細胞の分裂・増殖が正常に行われているのは、DNAが正常に働いているからです。しかし、時にはDNAが突然変異を起こし、異常な細胞が生まれることがあります。これが、「がんのもと」です。
一方で、私たちの体の中には「免疫」があります。体の中で「がんのもと」が生まれること自体は、決して珍しいことではありません。健康な人であっても、体の中では毎日2,000〜3,000の「がんのもと」が生まれるといわれています。そこで重要な役割を果たすのが、体に備わった「免疫」仕組みです。免疫の仕組みによって「がんのもと」は死んでしまうため、体内に残らず、悪さをすることもありません。 しかし、体の中で免疫のバランスが崩れてしまうと、私たちは様々な病気にかかってしまいます。がんについても同様で、免疫の力が弱くなってしまうと「がんのもと」を退治することが出来ず、やがてその「がんのもと」は生き残り、分裂・増殖を繰り返して塊となって、結果的にがんを発症してしまうのです。
がん免疫療法は、免疫の力を高めることによって、「がんを発生・増殖させない状態」を目指す治療法です。

6種複合免疫療法とは?

がん免疫療法の1つで、患者様ご自身の血液から免疫細胞を取り出し、活性化・増殖させて投与することでがんと闘う力を増強させる治療法です。
元々体内にあった免疫細胞を利用するため拒絶反応などの心配がなく、家族と過ごしながら無理なくがん治療を行うことが可能です。

「第四の選択肢」としてのがん免疫療法

がん免疫療法は、がん治療の第四の選択肢と呼ばれています。従来から、「外科手術」、「化学療法(抗がん剤)」、「放射線治療」ががんの三大療法と呼ばれてきました。いずれの方法も長い歴史の中で発展してきたがんの治療法ですが、現在に至ってもそれぞれにメリット・デメリットが存在しています。
がん免疫療法についてもその歴史は長く、1980年代にアメリカの国立がん研究所でスティーブン・ローゼンバーグ医師によって行われた研究がその始まりだと言われています。

その後も世界中で研究が積み重ねられ、近年の技術進歩、特に再生医療や遺伝子解析の技術が飛躍的に発展した結果、一般的ながん治療の方法として確立されるようになりました。
がん免疫療法の特徴は、私たちの体の中にもとからある免疫の力を使う点にあります。免疫の状態をより良くし、がんと闘いやすい状態を作ることによって、がんの発生・増殖を防ぎ、既にあるがんについては縮小・消失を狙います。
このため、従来の三大療法と比較して副作用や体への負担が少ないことがメリットとして挙げられます。

6種複合免疫療法という選択肢

6種複合免疫療法とは、がんの免疫療法の1つで血液中に含まれる免疫細胞を取り出し、より効果的にがんを攻撃できるように活性化・増殖させ体内に戻し、がんと闘う力を増強させる治療法です。
治療は採血と点滴だけで非常に簡単です。また、ご自身の細胞を使う治療法なので副作用もほとんどなく、お体への負担が少ない治療法です。

特徴1

がん3大療法との併用が可能。
ほぼ全てのがんに対応します。
がん3大療法(外科手術/化学療法/放射線治療)との併用が可能です。 一部(T細胞・NK細胞・NKT細胞型白血病/T細胞・NK細胞・NKT細胞型悪性リンパ腫)を除く、ほぼ全てのがんに対応します。
また、手術後に残ったがん細胞にも対応し、がん細胞増殖の抑制、再発・転移の予防にも効果的です。

特徴2

副作用が少なく、続けやすい療法です。
患者様ご自身の免疫細胞を使用するため、副作用がほとんどありません。
そのため他のがん治療で治療継続は困難と判断された場合でも、免疫療法なら治療を継続できる可能性があります。
また費用は治療毎でのお支払いのため、医療費を一度にまとめて支払う必要もありません。

特徴3

厚生労働省の許可を受けた施設で細胞培養を行います。
細胞培養を行う施設はCPC(Cell Processing Center)と呼ばれ、厚生労働省から許可を受けています。
細胞培養を行う上での極めて高度な安全管理体制を確立しており、全国の医療機関から細胞培養の委託を受ける体制を整えています。

同仁培養センター:FA7200001

過去治療したがん種

種複合免疫療法で過去に治療したがん種の一部を記載いたします。
ほぼ全てのがん種に対応しているため、記載されていないがん種や希少がんでも治療可能です。

治療方法

6種複合免疫療法は、がん患者様の弱った免疫細胞を採血により体外に取り出して培養し、免疫細胞の力を強化し数を増やして、点滴により元の体内に戻して治療を行う療法です。
治療は通院で行います。点滴時間は20~30分と短く、副作用も少ないため、患者様への精神的肉体的な負担が少ない療法です。現在、他の病院へ入院中の患者様でも、外出許可を得て通院が可能でしたら、提携医療機関で治療を受けることができます。

治療スケジュール

基本的に3週間ごとに6回を1クールとして、約4.5ヶ月かけて治療を行います。また、PET-CT、CT、MRI検査、腫瘍マーカーの測定や血液検査などを受けられた場合は、その結果を提携医療機関にお伝えください。

基本的な治療の流れ

約4.5ヶ月かけて1クールの治療を行います。

採血について

点滴治療の前に、次回の治療のための採血を行います。採血後は、血液から免疫細胞を分離し、3週間の培養期間に入ります。

点滴について

3週間培養した免疫細胞を、点滴により体内に戻します。一回の点滴時間は20〜30分程度です。

治療に必要なもの

受診を希望される方は以下のものをご準備ください。

  • 診療情報提供書
  • 検査資料(最近撮られたレントゲン、PET-CT、CT、MRI、PETのフィルム/データ)
  • 血液検査データ

治療の前に

患者様の体調を考慮して治療を行います。治療前に体調に異常や発熱などがある場合は、担当の医師に伝えて治療できるかどうかの指示を必ず受けてください。
また、治療に受ける場合は患者様の同意が必要ですので印鑑をご持参ください。
その他、準備可能な資料を初診日にご持参ください。

治療費の清算について

治療は6回の投与で1クールですが、治療費の清算は1回ずつです。 採血、培養、点滴投与を1治療単位として、その組合せを6回行い1クールと設定しております。
本治療は採血時から開始しますので、毎採血ごとのご清算となります。

副作用について

当研究所の免疫療法は患者様ご自身の免疫細胞を使用するので、副作用はほとんどありません。本療法は、抗がん剤などのがん治療における副作用の軽減、生活の質の向上にも役立ちます。

6種複合免疫療法の種類

6種複合免疫療法「CSC」 がん治療

6種複合免疫療法「BASIC」に、WT1ペプチドとがん幹細胞を標的としたペプチドを付加した治療法です。
ほぼ全てのがんの治療、がんの予防や手術後の転移・再発の予防にも適応できます。

初期培養費 16,500 円(1クールごと初回のみ)

6種複合免疫療法「BASIC」 がん予防

6種類の免疫細胞を用いた免疫療法です。免疫力の向上、がんの予防に適応できます。

初期培養費 16,500 円(1クールごと初回のみ)
治療費 275,000 円(消費税込/1治療分)
6回投与(1クール) 1,650,000 円(消費税込)

6種複合免疫療法「CSC」

がん治療をご希望の患者様には、6種複合免疫療法「CSC」をご提供致します。 6種複合免疫療法「CSC」では、6種複合免疫療法「BASIC」の技術にWT1ペプチドとがん幹細胞を標的とするペプチドを付加することで、有効性の高いがん免疫療法を可能にします。
WT1ペプチドは様々ながん細胞で発現しており、2009年に米国立衛生研究所(NIH)の研究グループから臨床上有用性のあるがん抗原として高い評価を受けています。樹状細胞がこのWT1ペプチドを認識すると、その情報をキラーT細胞、ヘルパーT細胞、NKT細胞に伝達します。それによって免疫細胞が活性化・増殖し、がん細胞を攻撃するサイトカインを放出してがん細胞を攻撃・死滅させます。 なお、一部のWT1ペプチドを使用する場合はHLA型(白血球の血液型)が適合することが条件になりますが、6種複合免疫療法「CSC」では、WT1の全配列をカバーする「全配列型WT1ペプチド」を用いているためHLA検査は不要です。すべての患者様に適応できます。
また、がんを作り出すと考えられている細胞はがん幹細胞(Cancer Stem Cell: CSC)と呼ばれています。現在主流となっている外科手術、化学療法(抗がん剤治療)、放射線治療では、既にがん化した細胞が縮小しても、がんを作り出す幹細胞が残っていれば、再びそこからがん細胞が生み出され転移、再発をくり返すことが近年分かってきました。 6種複合免疫療法「CSC」では、がん幹細胞特異抗原、共通抗原を樹状細胞に認識させてがん細胞とがん幹細胞の両方を攻撃させます。

6種複合免疫療法「BASIC」

がんのリスクが心配な方や、過去にがんの経験がある方にはがん予防・再発防止のための6種複合免疫療法「BASIC」をご提供致します。6種複合免疫療法「BASIC」では、6種類の免疫細胞を培養して活性化・増殖し、これらの免疫細胞を体の中に戻すことで、がんの発生・再発リスクを低減します。
特に、6種複合免疫療法で活性化されるNKT細胞は、サイトカインの一種であるIFN-γ(インターフェロンガンマ)を放出することで、免疫細胞のネットワーク全体を強化します。これによって、がん細胞を攻撃する体内の様々な免疫細胞を同時に活性化する強力な免疫活性(アジュバント)作用を持ちつつ、免疫細胞の長期にわたるがん攻撃記憶機能を獲得することが明らかにされています。
6種複合免疫療法では、NKT細胞を活性化することでIFN-γコントロール値と比較して1,200~2,000倍高いIFN-γの生産が測定されています。
また、免疫細胞には、免疫が過剰に働かないようにブレーキをかける免疫チェックポイント機構が備わっています。しかしながら、がん細胞もこの機構を利用して免疫の働きにブレーキをかけ、免疫細胞からの攻撃を阻止しています。免疫チェックポイント阻害薬は、このブレーキを解除することで免疫細胞ががん細胞を攻撃できるようにする治療法ですが、近年、活性化したNKT細胞を用いた進行性非小細胞肺がんの臨床試験において、NKT細胞が免疫チェックポイント阻害薬と同等の効果があると報告されました。

参考文献

Front Immunol (2014) 5:543
J Exp Med (2007) 204 (11): 2641-53
慶応義塾大学病院、理化学研究所 プレスリリース2018年3月12日
Front Immunol (2017) 8:1206
https://gan911.com/

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