野球肘、テニス肘、ゴルフ肘

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野球肘(離断性骨軟骨炎・
内側側副靭帯損傷)とは

野球肘とは、野球で行われる投球動作を繰り返したことを原因として発症するスポーツ障害です。
もっとも頻度が高いのがピッチャーで、次にキャッチャー、外野手と続きます。また内野手であっても、サードやショートといった強いボールを投げる運動を繰り返す場合、肘に負担のかかるフォームで投げている場合には、野球肘を発症するケースが認められます。
野球肘は、小学生・中高生で好発します。これは、肘に未熟な成長軟骨があるためだと言われています。

野球肘の種類別の
原因や症状

野球肘は、大きく「離断性骨軟骨炎」と「内側側副靭帯損傷」に分類され、それぞれ病態が異なります。

離断性骨軟骨炎

肘の外側にある「小頭」が傷ついているタイプです。
早期の保存的治療により完治する可能性が高いものの、初期には無症状であるケースも少なくなく、結果として離断性骨軟骨炎を放置したままプレーを続けて重症化する、ということがあります。

原因

繰り返しの投球動作によって、小頭が傷つくことで発症します。さらに投球を続けてしまうと、軟骨が剥がれ、手術が必要になることもあります。

症状
  • 投球の際の肘の痛み、違和感
  • 日常生活中で肘を動かしたときの痛み、違和感
  • 肘を動かしたときの引っかかる感じ
  • 肘関節の可動域の制限
  • 肘をまっすぐ伸ばせない

無症状のまま進行することもあるため、少しでも違和感があったときには、速やかにプレーを中止して受診してください。

内側側副靭帯損傷

肘の内側の「内側側副靭帯」が傷ついているタイプです。
数週間の投球中止によって復帰できることもありますが、手術が必要になることもあります。
離断性骨軟骨炎よりも頻度は高くなります。

原因

繰り返しの投球動作によって、内側側副靭帯が傷つくことで発症します。日常的に投球動作を行う期間が長い人の発症が目立ちます。

症状
  • 投球の際の肘の痛み
  • 腕を早く振るときに痛みが増大する
  • 肘が安定しない感じ
  • 手の痺れ(小指側)

悪化すると、安静にしているときでも痛みが出るようになります。

野球肘の検査や治療法

【検査・診断】

問診の上、レントゲン検査、CT検査、MRI検査、超音波検査など、必要な検査を行い、診断します。

【治療法】
PRP療法(再生療法)

患者様から血液を採取し、そこから抽出したPRP(多血小板血漿)を肘に注射します。
組織の修復を促進するとともに、止血作用が働き、痛み・炎症が軽減されます。

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手術

離断性骨軟骨炎に対しては、軟骨を移植する「関節形成術」、剥がれそうになっている骨を固定して新たな骨の形成を促進する「骨釘移植」などが行われます。
内側側副靭帯損傷に対しては、手首から腱を移植して靭帯の再建を行う「長掌筋腱」が行われます。

野球の投球など中止して安静にする

肘の痛みを感じたときには、速やかに投球を中止し、安静に努めるのが第一です。
それ以外のランニングや筋トレなどの運動ができるかどうかは、症例ごとの判断となります。

テニス肘
(上腕骨外側上顆炎)とは

手首を曲げる、手で強くものを握る動作の繰り返しによって、肘の外側に痛みが生じるスポーツ障害です。
テニスのトップ選手だけでなく、趣味としてテニスを楽しむ愛好家の方でも発症します。
世代別では、中高年以上に好発します。

テニス肘の原因や症状

原因

ラケットを振るときに手首を曲げたり、ボールを打つときにグッと力を入れる動作を繰り返すことで発症します。
同様の動きを伴うものであれば、テニス以外の競技・職業(フライパンを振る料理人の方など)を原因として発症することがあります。

症状
  • ラケットを振る時の肘の痛み
  • 手首を動かしたときに肘の外側が痛む
  • タオルを絞るときに肘が痛む
  • 肘を伸ばして物を掴んだときに痛む

悪化すると、物を掴むようなちょっとした動作の際にも痛みが出ることがあります。

テニス肘の検査や治療法

【検査・診断】

問診の上、超音波検査、MRI検査などを行い、診断します。

【治療法】
PRP療法(再生療法)

患者様の血液からPRP(多血小板血漿)を抽出し、肘関節に注射します。 損傷した組織の修復と抗炎症作用によって、痛みや炎症の改善が期待できます。

詳細はこちらへ

薬物療法

消炎鎮痛剤、湿布、ステロイド注射などの薬物療法を行います。

テニスを含む運動や動作など
中止して安静にする

プレー中に肘に痛みを感じたときには、すぐに運動を中止し安静に努めます。また同様の手首を使う動作、肘に負担のかかる動作を控える必要があります。

手術

保存的治療で十分な効果が得られない場合には、変性した腱組織を切除する手術が必要になります。
近年では、関節鏡下手術、超音波ガイド下経皮的手術など、低侵襲手術も普及しています。

ゴルフ肘
(上腕骨内側上顆炎)とは

手首を内側に曲げる動作、物を持ったまま肘を曲げる動作を繰り返すことで発症するスポーツ障害です。
このような動作はゴルフ以外のスポーツ、日常生活でも見られるものであるため、ゴルフをしない人であっても発症することがあります。

ゴルフ肘の原因や症状

原因

スナップを効かせるように手首を内側に曲げる動作、物(ゴルフクラブなど)を持ったまま肘を曲げる動作を繰り返すことで、上腕骨内側上顆にくっついている腱が炎症を起こすことで発症します。

症状
  • 手首を曲げたときの肘の痛み
  • 物を持って肘を曲げたときの痛み
  • ゴルフスイングの際の肘の痛み
  • 腕を伸ばしたときの肘の痛み
  • 安静時の肘の痛み

特に肘の内側で痛みが強くなります。悪化すると、動作時だけでなく、安静時にも肘が痛むようになります。

ゴルフ肘の検査や治療法

【検査・診断】

問診や触診の上、レントゲン検査、MRI検査などの必要な検査を行い、診断します。

【治療法】
PRP療法(再生療法)

患者様から少量の血液を採取し、PRP(多血小板血漿)を抽出し、肘関節へと注射します。
損傷した組織の修復と抗炎症作用によって、痛みや炎症の改善を図ります。

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薬物療法

消炎鎮痛剤や湿布の外用、またはステロイド注射などの薬物療法を行います。

ゴルフを含む運動や動作など
中止して安静にする

ゴルフのプレーだけでなく、日常生活の中でも手首を内側に曲げる動作、物を持ったまま肘を曲げる動作をできるだけ避け、安静に努めます。

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