PDR(経皮的椎間板再生治療)

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椎間板の再生を促す再生治療PDR(経皮的椎間板再生治療)

経皮的オゾン椎間板減圧術腰椎椎間板は髄核とそれを包む線維輪から成り,頭尾側方向に2つの腰椎、仙椎に挟まれつつ脊椎の可動性を保つ役割をしています。腰痛・下肢痛全体に対する椎間板性の腰下肢痛は,椎間板性腰殿部痛が13%、椎間板ヘルニアによる腰下肢痛が7%と報告されています。椎間板性腰痛の主な原因は椎間板変性であり、加齢や就業による負荷、喫煙、肥満などによって促進され,洞脊椎神経からの知覚神経増生と椎間板内侵入もその機序と考えられています。

椎間板性腰痛の診断では、前屈や立ち上がるなどの椎間板内圧を上昇させる動作による症状の増強で強く疑います。腰椎MRIでは、椎間板膨隆・変性・断裂,終板変化(Modic変性)、high intensity zone(HIZ)が椎間板性腰痛を示す所見です。

椎間板性腰痛が起こる原因としては①椎間板の変性②それに伴う神経線維の浸潤が原因です。
そのため椎間板腰痛は①椎間板の変性②神経線維の浸潤が原因であるためこの2つの治療が必要になります。

当院の変性した椎間板に対しての治療としては①椎間板の再生を促す再生治療PDR(経皮的椎間板再生治療) ② 椎間板性疼痛の原因である線維輪椎骨洞神経をレーザーで焼却し、疼痛を軽減するPLDD:thermal annuloplasty(熱性線維輪形成術)があります。

thermal annuloplastyの論文

・Posterolateral transforaminal selective endoscopic discectomy and thermal annuloplasty for chronic lumbar
discogenic pain : a minimal access visualized intradiscal surgical procedure. Spine J.,4(5):564‐73,2004
・Percutaneousendoscopic discectomy and thermal annuloplasty for professional athletes. Asian J. Endosc. Surg.,6(4):292‐7,2013
・スポーツ選手の腰痛と低侵襲手術 ~謎の腰痛を解き明かす~ 西良浩一 徳島大学大学院医歯薬学研究部運動機能外科学分野

PDR:Percutaneous disc regeneration treatment
(経皮的椎間板再生治療)

PDR法(経皮的椎間板再生治療)は、損傷した椎間板の再生治療です。患者様の血液より濃縮血小板由来の成長因子を抽出し濃縮血小板由来の成長因子と幹細胞上清液を穿刺針で椎間板に挿入し、透視装置を使って損傷した椎間板に成長因子と幹細胞上清液を投与します。様々な論文で再生治療としての注目があげられております。

椎間板変性に起因する椎間板性腰痛に対しては、濃縮血小板由来の成長因子は有効であるとする論文がいくつか出ています。*1,2,3 当院では老化した椎間板にこれを注入し修復します。組織再生を促進する多数の成長因子が通常と比較して2倍以上含まれ、高い効果が期待できます。 治療は保険適応外のため自費になりますが、慢性的な椎間板性腰痛の患者さんなど、長期間にわたって日常生活の障害となっていた患者さんにとって、新たな治療の選択肢の一つになっています。

*1
椎間板性腰痛の治療 https://seikei-online.jp/column/waist/13965
「椎間板変性症と再生医療の今」、 東海大学医学部外科学系整形外科学 堀北 夏未・酒井 大輪、Pharma Medica Vol.38 No.1 2020
http://publish.m-review.co.jp/files/tachiyomi_J0001_3801_0061-0064.pdf

*2
椎間板性腰痛の患者に対してPFC-FD™療法とほとんど同様の技術であるPRP療法を施した研究で、有効な結果が多数報告されています。
一例として、29人への臨床研究を行いその後2年間続けた追跡調査では、痛みと機能の改善が見られたとの報告がされています。
「Intradiscal platelet-rich plasma (PRP) injections for discogenic low back pain: an update」、Michael Monfett・Julian Harrison・Kwadwo Boachie-Adjei・Gregory Lutz、2016 Jun;40(6):1321-8.

*3
保存療法で改善しなかった47人の椎間板性腰痛を持つ治験者に対しPRP療法を無作為に施した研究もあります。その結果、痛み・機能・患者満足度の観点で統計的に有意な改善が見られたとしています。
Yetsa A Tuakli-Wosornu, Alon Terry, Kwadwo Boachie-Adjei, Julian R Harrison, Caitlin K Gribbin, Elizabeth E LaSalle, Joseph T Nguyen, Jennifer L Solomon, Gregory E Lutz「Lumbar Intradiskal Platelet-Rich Plasma (PRP) Injections: A Prospective, Double-Blind, Randomized Controlled Study」2016 Jan;8(1):1-10; quiz 10. doi: 10.1016/j.pmrj.2015.08.010. Epub 2015 Aug 24.

幹細胞とは、機能が失われた細胞を再生し、新しい細胞を生み出す細胞です。幹細胞培養上清液とは、幹細胞を培養する過程でできる上澄み液です。
幹細胞培養上清液には、サイトカインや成長因子などの重要な成分があり当院で取り扱っている幹細胞培養上清液には、多数のサイトカインや成長因子が含まれていることが確認されています。幹細胞にはホーミング効果すなわち、老化や損傷を受けた細胞や組織に幹細胞が集まっていく効果を持っており、効率よく細胞の再生や修復を促します。

PDR法(経皮的椎間板再生治療)の対応している腰の病気

  • 腰椎椎間板ヘルニア
  • 腰部脊柱管狭窄症
  • 椎間板変性症
  • すべり症
  • 分離症
  • 腰椎不安定症
  • 腰椎変性側弯症

このようなお悩みの方が対象

  • 椎間板が潰れている、狭くなっている
  • 慢性的な腰痛があって日常生活に困っている
  • 腰部脊柱管狭窄症、腰椎椎間板ヘルニア、すべり症などの腰痛症状や痛みに悩まされている
  • 入院したくなく、日帰り治療を希望
  • 脊椎固定術などの手術をしたくない
  • 高齢のため外科的手術のリスクが高い
  • 腰や足に痛みがあり歩くことが困難
  • 外科的手術後を行ったが改善しなかった、または再発した
  • ゴルフやテニスなどのスポーツをしたいが、腰痛が原因で思うようにできない

PDR法(経皮的椎間板再生治療)を行うメリット

【メリット】

①負担が少なく、日帰り治療が可能である
②椎間板の緩衝機能を改善し腰痛を軽減する
③手術のリスクが高い方も治療可能
④傷痕が目立たない
⑤合併症のリスクが少ない

PDR法(経皮的椎間板再生治療)の治療の流れ

PDR法(経皮的椎間板再生治療)の基本的な流れをご紹介します。 ご不明点などございましたら、お気軽にお尋ねください。

検査・診察

検査・診察検査・診察問診、画像検査などを行い、患者様がPDR法の適応となるかどうかを判断いたします。
適応の範囲内であり、治療内容についてのご説明にご理解・ご納得いただけましたら、治療へと進みます。

採血

医師より診察を行い、治療内容についてご説明させていただきます。採血(約49ml)を行ない、厚生労働省認可の細胞加工センターに送ります。

感染症検査・フリーズドライ加工・無菌検査

感染症検査・フリーズドライ加工・無菌検査細胞加工センターに届けられた血液を約3週間かけて、感染症検査/フリーズドライ加工/無菌検査を行います。フリーズドライ加工することにより長期保存(約半年間)が可能となります。また、成長因子成分の含有量やその働きに対してこのフリーズドライ加工による影響はなく、生理食塩水で溶くことで元の状態へと戻すことができます。

治療開始

治療開始予定日時にご来院いただき、局所麻酔をかけ、PDR法を行います。
穿刺針を椎間板に挿入し、透視装置を使って損傷した椎間板に濃縮血小板由来の成長因子と幹細胞上清液を投与します。施術に要する時間は、1箇所あたり20~30分程度です。

ご説明

ご説明30分~1時間ほどお休みいただいてから、医師による治療のご説明を行います。
ご自宅での注意点などについてもお伝えしますので、ご安心ください。

アフターケア

アフターケア1週間後と1カ月後(2回目のPDR治療)に経過を評価するために再度ご来院いただきます。
※当院では、すべての治療において、メリットだけでなく、デメリットについても、正しくお伝えしております。ただ、もしご不安が残る場合、気になる点がある場合には、都度、お気軽にお尋ねください。

PDR法(経皮的椎間板再生治療)の効果と副作用について

効果について

治療後3~6ヵ月で大きな効果が期待されます。時間がかかる理由としては、椎間板内に血管が存在しないので、椎間板修復・再生の為に必要な成長因子が骨からゆっくりと浸潤する形で補われるためと考えられています。その他、スポーツをすることで再発するリスクが高まります。

副作用について

治療後は内出血・腫れ・発赤・疼痛・かゆみ・変色・および圧痛が発生することがあります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって周りの筋肉・関節や靭帯などの広がりにより筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。

合併症

椎間板炎
痛みが生じることがあります。薬物療法により対応します。

椎体壊死・骨折

痛みが生じることがあります。
薬物療法により対応します。

神経障害

しびれなどの症状が出ることがありますが、ほとんどは自然に消失します。

皮下・筋肉内出血

皮下・筋肉内出血を起こすことがありますが、ほとんどは自然に消失します。

薬剤アレルギーなど

局所麻酔や抗生物質による一時的なアレルギーが生じることがございます。
PDR法は、まだまだ十分に普及しているとは言えません。そのため、分からない点、ご不安な点もあるかと思います。専門のスタッフが詳しくご説明いたしますので、どうぞお気軽にご相談ください。

PDR法の治療後、日常生活や運動

PDR法は、その日のうちに日常生活に戻ることができる低侵襲治療です。
ただし、以下のように運動の種類に応じて、1日~1カ月ほどの制限が生じます。。

治療後の運動制限の目安

1日後~

自転車の運転

3日後~

温泉・サウナ、プールなど

7日後~

スポーツジム、マッサージ、リハビリなど

14日後~

ヨガ(ねじるような動作)、整体、スポーツバイク、針治療など

30日後~

長時間のスポーツ、ゴルフなど

費用

※すべて税込価格で表示しています。

PDR法(経皮的椎間板再生治療)の治療費用 治療箇所 (椎間板につき)
治療箇所 費用
1箇所 880,000円(税込)
2箇所 1,100,000円(税込)
3箇所 1,320,000円(税込)
4箇所 1,430,000円(税込)

幹細胞上清液を増量可能です。
幹細胞上清液 1V追加:150,000円(税込:165,000円)

PLDD法(椎間板ヘルニアレーザー)
治療箇所 費用
1箇所 825000円(税込)
2箇所 1,100,000円(税込)
3箇所 1,375,000円(税込)
4箇所 1,650,000円(税込)
PDR法(経皮的椎間板再生治療)治療費用+PLDD(椎間板ヘルニアレーザー)1回治療費用
治療箇所 費用
1箇所 1,320,000円(税込)
2箇所 1,650,000円(税込)
3箇所 1,980,000円(税込)
4箇所 2,200,000円(税込)
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