
低気圧で頭痛が起きたり、腰痛が酷くなったりした経験はありませんか? ここではそのメカニズムと、低気圧による気圧の対処方法についてご紹介します。
<コラム監修者>

田中聡(たなか さとし)
表参道総合医療クリニック院長
大阪医科大学医学部卒業。救急車搬送が日本で一番多い「湘南鎌倉総合病院」や「NTT東日本関東病院」にて脳神経外科医として脊椎・脊髄疾患、脳疾患、がん患者の治療に従事。その後、稲波脊椎関節病院で脊椎内視鏡、森山記念病院で脳・下垂体の内視鏡の経験。様々な患者様を診療するようになりました。しかし、脳出血や脳梗塞の方は、手術をしても脳機能自体は回復しないため、麻痺は改善しません。また腰痛が改善しなかったり、手術後も痛みやしびれが残る後遺症に悩まされている患者様を見てきて、「現代の医療では解決できない問題を治療したい」と表参道総合医療クリニックを開院しました。開院後、多数の腰痛日帰り手術や、再生医療などを行い、多方面から高い評価をいただいています。
┃1.低気圧が身体に与える影響
周囲より空気が軽くなり、上昇気流が発生するときに起こる低気圧。台風が近づいたときのほか、雨や曇りなど天気が崩れる直前、季節の変わり目によく見られる現象です。
これらは、人間の身体の不調と密接的に関わっていることがわかっています。
人間は、耳の奥にある「内耳(ないじ)」の「三半規管」や「前庭神経」がセンサーとなって気圧の変化を察知します。これが過剰に反応するとストレスによって自律神経の乱れを起こし、交感神経が優位に。頭痛やめまい、耳の閉塞感などを引き起こします。このほか血流が悪くなるため、関節や腰などでは筋肉が緊張を起こしたり、周辺組織の酸素や栄養素不足を起こしたりして、痛みを引き起こすこともあります。
この気圧の変化によって起こる身体の不調に対して、「気象病」「天気病」と呼ばれることもあります。
┃2.低気圧が腰痛を引き起こす原因
具体的には、なぜ低気圧が腰痛を引き起こすのでしょうか? 大きな原因は自律神経の乱れです。これによって身体に起こる変化と、それが腰にもたらす影響をまとめました。
<血流悪化>
ストレスを感じて、自律神経が乱れると、交感神経が優位になります。すると血管が収縮し、血流が悪化。筋肉の緊張や酸素欠乏が起こってしまいます。これらが痛みを引き起こします。
<筋肉の硬直>
筋肉の強張りが起こる原因は、自律神経の乱れのほかにもあります。低気圧が来ている場合は、気温が下がることも多く、それによって身体が冷えてしまうと筋肉を硬直させる疲労物質の1つ「乳酸」などが生成されていきます。これが溜まっていくと、血流が悪くなり、さらに状態が悪くなるという悪循環を引き起こします。
<内臓疲労>
自律神経の乱れは、内臓の動きにも大きく影響します。内臓が悪化することで腰痛が起こるケースもあります。
>>内臓の病気が原因で腰痛が起こる場合も?痛みの場所や症状の特徴を解説
┃3.低気圧によるセルフ腰痛対策
椎間板ヘルニアや、脊柱管狭窄症の人は特に低気圧の影響を受けやすいとされています。ここでは気象病による腰痛の対策をまとめました。
<身体を温める>
入浴や暖かい飲み物で、血管の収縮を防ぎ、血流を促します。腹巻きやレッグウォーマーを活用することも有効です。
<気圧への過剰反応を緩和させる>
気圧に過剰反応してしまうのは、内耳へ流れる血流が不足していることが原因かもしれません。耳や首筋まわりを温めることで、周囲の血行を改善し、気圧への過剰反応を抑えることができます。
<身体をほぐす>
軽いストレッチや、ウォーキングなど適度な運動をすることで筋肉をほぐし、痛みを引き起こす強張りを緩和します。
<気象情報アプリを活用する>
近年は急激な低気圧の接近をお知らせしてくれるアプリもあります。急激な気圧の変化が起こるときにはアラートを鳴らしてくれるものもあるので、低気圧の接近前に、事前に痛み止めを飲むなどの対策が可能です。
┃4.慢性的な腰痛が続く場合
慢性的な腰痛が続く場合は、骨や筋肉などに損傷が起きている可能性があります。もしも長引く場合や、日常生活に支障が出ている場合は無理せず、病院に相談することをおすすめします。
当院では腰痛に特化した治療をご提供しています。低侵襲な日帰り腰痛手術と、再生医療を組み合わせた治療が特徴。対応している治療法には、以下のようなものがあります。
<PEL>
PELは全ての手術操作を内視鏡下で行う手術です。体を大きく傷つけずに脊椎内部の奥深いところを観察し、神経の圧迫を取り除きます。局所麻酔で行えるため、高齢の方や持病のある方など全身麻酔下の手術が受けられない方にとってもメリットの大きい手術です。
対象疾患:脊柱管狭窄症、すべり症など
<PLDD>
PLDDは、レーザーを椎間板の髄核に照射して椎間板を縮小し、神経の圧迫を軽減する治療です。施術に要する時間は1か所あたり15~30分程度で、院内の滞在時間も数時間程度で済むため、日帰りでの手術が可能です。
対象疾患:椎間板ヘルニア
<PDR>
PDRは経皮的椎間板再生治療ともいいます。患者さんの血液を採取し、濃縮血小板由来の成長因子(PRP)を抽出。PRPと幹細胞上清液を患部に注入し、透視装置を使って損傷した椎間板に成長因子と幹細胞上清液を投与します。PLDDと併用することも可能で、日帰りで手術を受けることができます。
対象疾患:椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症など
<PED>
PEDは、経皮的内視鏡下椎間板摘出術とも呼ばれる手術です。細い内視鏡を使って行うため、低侵襲なのが特徴。日帰りで受けることができ、術後の生活への影響も少ないとされています。
対象疾患:椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症など
<ディスクフロー治療>
傷を塞ぐ接着剤のような役割を持つ「フィブリン」という物質を患者さんの血液から生成し、椎間板の亀裂を封鎖する治療です。ご自身の血液からつくる自己フィブリンなので、アレルギーや拒絶反応、感染などのリスクを抑えられます。
対象疾患:椎間板ヘルニアなど
<SAST>
患者さん自身の脂肪から幹細胞を取り出して培養し、椎間板、頚椎、腰椎などに移植する治療法です。幹細胞には傷ついた組織を再生する働きがあり、損傷した椎間板や脊椎の修復を促して腰痛の改善を図ります。
対象疾患:椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、椎間板変性症、すべり症など
┃5.まとめ
気圧による変化がどのように体調へ影響するのかは、医学的に証明されています。無理のない範囲でケアをしてうまく付き合っていきましょう。ただし、無理は禁物。慢性的な腰痛が続く場合は医師に相談することをおすすめします。
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┃YouTubeでも医療知識を紹介しています
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