
「朝起きると腰が痛い」と悩む方は珍しくありません。起床時の腰痛の原因には、寝ている間の不自然な姿勢や体に合わない寝具といった環境の問題もありますが、中には腰や背骨などの疾患が隠れているケースもあります。
そこで今回は、朝起きると腰が痛い場合に考えられる原因と対策、そして受診したほうがよい腰痛を見分けるポイントについて解説します。
<コラム監修者>

田中聡(たなか さとし)
表参道総合医療クリニック院長
大阪医科大学医学部卒業。救急車搬送が日本で一番多い「湘南鎌倉総合病院」や「NTT東日本関東病院」にて脳神経外科医として脊椎・脊髄疾患、脳疾患、がん患者の治療に従事。その後、稲波脊椎関節病院で脊椎内視鏡、森山記念病院で脳・下垂体の内視鏡の経験。様々な患者様を診療するようになりました。しかし、脳出血や脳梗塞の方は、手術をしても脳機能自体は回復しないため、麻痺は改善しません。また腰痛が改善しなかったり、手術後も痛みやしびれが残る後遺症に悩まされている患者様を見てきて、「現代の医療では解決できない問題を治療したい」と表参道総合医療クリニックを開院しました。開院後、多数の腰痛日帰り手術や、再生医療などを行い、多方面から高い評価をいただいています。
◆目次
1.朝起きると腰が痛いときに考えられる原因
2.起床時の腰痛を和らげる対策
3.受診したほうがよいのはどんな腰痛?
4.日帰り腰痛手術×再生医療による腰痛改善ならご相談ください
YouTubeでも医療知識を紹介しています
┃1.朝起きると腰が痛いときに考えられる原因
朝の腰痛の原因には、日常生活での習慣や睡眠環境など、さまざまな要素があります。
<筋肉のこわばり>
寝ている間は長時間同じ姿勢を取り続けるため、筋肉が緊張しやすくなります。筋肉が硬くなると血行が悪くなり、起床時に腰が痛い、伸ばしにくいといった症状が出ることがあります。
<体の冷え>
睡眠中に体温が下がると、全身の血行が悪くなって筋肉が硬直しやすくなり、腰痛につながります。寒い時期だけでなく、夏場のエアコンの効かせすぎにも注意が必要です。
夏に起こりやすい腰痛の原因や予防のポイントは、以下の記事でも解説しています。
>>【注意】夏に起こる腰痛は自律神経の乱れ⁉原因と対処法を詳しく解説
<睡眠中の姿勢>
眠る姿勢も腰への負担に関係します。横向きやうつ伏せの姿勢だと腰・首の関節や筋肉に負担がかかりやすくなります。
特に、うつ伏せは腰が反りすぎる「反り腰」の状態になりやすく、腰への負担が大きくなります。
反り腰については、以下の記事でも解説しています。
<不適切な寝具>
寝具が体に合っていない場合も、起床時の腰痛が起こりやすくなります。
たとえば、マットレスが柔らかすぎるとお尻が深く沈み込み、腰に負担がかかる姿勢になります。逆に硬すぎても、腰が浮いてしまい体重による負荷が集中するため、適度な硬さが重要です。
また、枕が合っていない場合も背骨のカーブが崩れ、腰への負担が増加します。
<生活習慣やストレスの影響>
疲労の蓄積や寝る前の飲酒といった原因で寝返りが減り、同じ姿勢が続いて朝の腰痛につながる場合があります。また、ストレスが続くと自律神経が乱れ、筋肉が緊張して腰痛が起きるケースもあります。
<疾患によって腰痛が起きている>
何らかの疾患が原因で、朝の腰痛が起こるケースもあります。頻度が高いのは、以下のような整形外科領域の疾患です。
- 椎間板ヘルニア:背骨の骨と骨の間にある「椎間板」が飛び出し、神経を圧迫する
- 脊柱管狭窄症:背骨を通る神経のトンネル(脊柱管)が狭くなり、神経が圧迫される
- 腰椎すべり症:背骨の骨が本来の位置から前後にずれ、脊柱管が狭くなって神経を圧迫する
- 変形性腰椎症:加齢などによる腰椎の変形で、周囲の神経が刺激される
- 急性腰痛症(ぎっくり腰):腰の筋肉などに急な負荷がかかり、炎症を起こして激しい痛みが出る
そのほか、内臓の疾患が原因で腰痛や背部痛が起きる場合もあります。さらに、まれなケースではありますが、脊椎のがんや自己免疫疾患などが原因の場合もあります。
まずは整形外科を受診して背骨などに異常がないか確認し、それでも原因不明の腰痛が続く場合は、症状に応じて別の診療科の受診も検討するとよいでしょう。
┃2.起床時の腰痛を和らげる対策
日頃の睡眠環境や生活習慣の改善で、朝の腰痛を緩和できる場合もあります。起床時の腰痛を和らげるためにできる対策を紹介します。
<寝る姿勢を改善する>
睡眠中の腰への負担を減らすためには、体圧が分散されやすく背骨のカーブを保ちやすい仰向けの姿勢で眠るのが重要です。また、適度に寝返りが打てるように生活習慣などを整えるのも重要です。
<寝具や睡眠環境を見直す>
腰の負担を軽減するには、寝具や睡眠環境の見直しも重要です。マットレスは適度な反発力があり、柔らかすぎず硬すぎないものを選びましょう。枕は、仰向けになったときに首が自然に曲がる程度の高さが適切とされています。
睡眠中に体が冷えないよう季節に合わせて適切に空調を使用し、照明をしっかり消すのもポイントです。
<起床直後の動作・姿勢に注意する>
筋肉がほぐれていないうちに勢いよく起き上がると、腰を痛めてしまう場合があります。ゆっくりと少しずつ起き上がりましょう。
また、着替えや洗顔の際は、腰への負担が大きくなる前かがみの姿勢はできるだけ避けるようにしましょう。
<日中の血行を改善する>
日中に血行を改善すると筋肉の柔軟性が改善し、翌朝の腰痛対策にもつながります。適温の湯船に浸かる、適度に運動するといった習慣を心がけるとよいでしょう。
ただし、運動や入浴は交感神経を優位にさせるため、寝る直前に行うのは避けましょう。運動は就寝の2〜4時間前まで、入浴は1〜2時間前が適切とされています。
<腰への負担が少ない姿勢を心がける>
立っているときや座っているときの姿勢を見直し、背筋を伸ばして正しい姿勢を保つよう意識しましょう。デスクワークや立ち仕事などの同じ姿勢が続く職業の場合、こまめに休憩を挟むことも重要です。
┃3.受診したほうがよいのはどんな腰痛?
生活習慣や睡眠環境などの改善を続けても朝の腰痛がよくならない場合、脊椎などの病気が原因で腰痛が起きている場合もあります。以下のいずれかに当てはまる場合は、医療機関を受診して検査を受けましょう。
- 腰痛が長引いている(目安:3ヶ月以上)
- 腰痛が繰り返し起こる
- 生活に支障が出るほど痛みが強い
- 腰痛だけでなく、お尻や足の痛み・痺れもある
- 足に力が入りにくい
- 排尿・排便障害を伴う
特に、痺れや足の脱力感、排尿・排便障害などの症状がある場合は、神経の圧迫が起きている可能性があります。放置すると悪化するおそれもあるので、早めに受診しましょう。
┃4.日帰り腰痛手術×再生医療による腰痛改善ならご相談ください
当院では、日帰り手術と再生医療を組み合わせた腰痛治療を提供しております。椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症といった脊椎疾患の痛み・痺れにお悩みの方や、再生医療による腰痛緩和を検討されている方は、ぜひご相談ください。
対応している治療法には、以下のようなものがあります。
<PEL>
PELは全ての手術操作を内視鏡下で行う手術です。体を大きく傷つけずに脊椎内部の奥深いところを観察し、神経の圧迫を取り除きます。局所麻酔で行えるため、高齢の方や持病のある方など全身麻酔下の手術が受けられない方にとってもメリットの大きい手術です。
対象疾患:脊柱管狭窄症、すべり症など
<PLDD>
PLDDは、レーザーを椎間板の髄核に照射して椎間板を縮小し、神経の圧迫を軽減する治療です。施術に要する時間は1か所あたり15~30分程度で、院内の滞在時間も数時間程度で済むため、日帰りでの手術が可能です。
対象疾患:椎間板ヘルニア
<PDR>
PDRは経皮的椎間板再生治療ともいいます。患者さんの血液を採取し、濃縮血小板由来の成長因子(PRP)を抽出。PRPと幹細胞上清液を患部に注入し、透視装置を使って損傷した椎間板に成長因子と幹細胞上清液を投与します。PLDDと併用することも可能で、日帰りで手術を受けることができます。
対象疾患:椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症など
<PED>
PEDは、経皮的内視鏡下椎間板摘出術とも呼ばれる手術です。細い内視鏡を使って行うため、低侵襲なのが特徴。日帰りで受けることができ、術後の生活への影響も少ないとされています。
対象疾患:椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症など
<ディスクフロー治療>
傷を塞ぐ接着剤のような役割を持つ「フィブリン」という物質を患者さんの血液から生成し、椎間板の亀裂を封鎖する治療です。ご自身の血液からつくる自己フィブリンなので、アレルギーや拒絶反応、感染などのリスクを抑えられます。
対象疾患:椎間板ヘルニアなど
<SAST>
患者さん自身の脂肪から幹細胞を取り出して培養し、椎間板、頚椎、腰椎などに移植する治療法です。幹細胞には傷ついた組織を再生する働きがあり、損傷した椎間板や脊椎の修復を促して腰痛の改善を図ります。
対象疾患:椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、椎間板変性症、すべり症など
【関連記事】
・反り腰をチェックする方法とは?放置した場合の影響も解説
・内臓の病気が原因で腰痛が起こる場合も?痛みの場所や症状の特徴を解説
・ストレスが腰痛を引き起こすメカニズム|長引く腰痛のやるべきことと対処法
┃YouTubeでも医療知識を紹介しています
YouTubeでも、院長が腰痛や再生医療を中心にさまざまなトピックをお話ししています。ぜひご覧ください!









東京メトロ
クリニック前にパーキング