
腰痛などの慢性的な痛みを抱えている人がお世話になるのが痛み止め薬。市販で買えるものも多く、気軽に服用することができます。しかし、長期的な使用によって腎機能が低下してしまうことも。ここでは鎮痛剤と腎臓に及ぼす影響、腰痛の根本治療について解説します。
<コラム監修者>

田中聡(たなか さとし)
表参道総合医療クリニック院長
大阪医科大学医学部卒業。救急車搬送が日本で一番多い「湘南鎌倉総合病院」や「NTT東日本関東病院」にて脳神経外科医として脊椎・脊髄疾患、脳疾患、がん患者の治療に従事。その後、稲波脊椎関節病院で脊椎内視鏡、森山記念病院で脳・下垂体の内視鏡の経験。様々な患者様を診療するようになりました。しかし、脳出血や脳梗塞の方は、手術をしても脳機能自体は回復しないため、麻痺は改善しません。また腰痛が改善しなかったり、手術後も痛みやしびれが残る後遺症に悩まされている患者様を見てきて、「現代の医療では解決できない問題を治療したい」と表参道総合医療クリニックを開院しました。開院後、多数の腰痛日帰り手術や、再生医療などを行い、多方面から高い評価をいただいています。
┃1.鎮痛剤が効くまでのメカニズム
痛みは、患部が損傷すると、ラキドン酸がCOXという酵素によって「プロスタグランジンE2」という、痛みを増強する物質に変化します。これによって「痛い」と感じ、痛みを感じる部位に何かしら炎症や損傷が起きていると察知することができるようになっています。
ただし、日常生活を送るうえで痛みがストレスになるのも事実。そんなときに使われるのが「痛み止め薬」です。ロキソニン、イブ、バファリンなどの市販薬を服用した方も多いのではないでしょうか?
市販されている痛み止め薬は、NSAIDs(エヌセイズ:非ステロイド性消炎鎮痛薬)に分類される薬品が主流です。エヌセイズは、痛みの原因を作る酵素COXの働きをブロックする効果があり、これによって痛みの原因物質の生成が抑えられ、痛みや炎症、熱が鎮まるのです。
このほか「カロナール」などに使われるアセトアミノフェンなども鎮痛効果のある薬として市販されています。
┃2.痛み止め薬が腎臓に及ぼす影響
エヌセイズは、腎臓への血流を減少させることがあるため、腎機能に悪影響をもたらす可能性もあります。特に、腎機能が低下している場合には、使用を避けるなど注意しなければいけません。
腎機能に悪影響をもたらすリスク要因の代表例として「長期的な痛み止めの服用」が挙げられます。エヌセイズを長期的に服用すると「鎮痛薬腎症」のリスクが高まります。これは生涯を通じて特定の鎮痛薬を大量に使用することによって生じる慢性尿細管間質性腎炎です。高血圧や貧血のほか、尿濃縮能障害などを引き起こします。
慢性的な腰痛は、痛みの原因がわかっていないため「ひとまず痛み止めを飲んでおけば動けるし大丈夫」と対処している人が多くいます。ただし、あくまでもこれは対処療法。根本的に痛みの原因を取り除いてあげることが重要です。
このほか、脱水状態のときの服用や、利尿薬や「ACE阻害薬」「ARB」といった血圧の薬との併用で腎機能を低下させる恐れがあります。
┃3.対処法について
もしも痛み止めによって腎機能が悪化した場合、以下の対応が考えられます。
<痛み止めの変更>
腎臓への負担が少ないアセトアミノフェンを主成分とした「カロナール」などの痛み止めに切り替えます。ただし、自己判断では行わず、必ず主治医や薬剤師に相談して使用するようにしましょう。
<痛みの根本的治療>
痛みの原因を根本的に治療しましょう。腰痛の場合は、原因が複合的に絡み合っていることも少なくありませんが、1つずつ解決していくと、痛みは緩和していきます。
また長期的に腰痛に悩まされている場合は、筋肉のこわばりやストレスなどではなく、腰部分の骨自体が損傷したり、異常が出ていたりする可能性も。早めに治療しないと、完治後も痛みが後遺症として残ってしまうこともあるため、「たかが腰痛」と思わず、早めに受診するようにしましょう。
┃4.当院で行う腰痛の根本治療
当院では腰痛に特化した治療をご提供しています。また実際に、「鎮痛薬を長年服用したことで腎臓が悪化してしまった」ということがきっかけで、当院に腰痛治療のご相談をされた方もいらっしゃいます。
>>【症例紹介】長年の鎮痛薬服用で腎臓悪化「日帰り手術PEL×再生医療PRP」で脊柱管狭窄症を治療した70代女性
もしも腰痛でお悩みの方は、痛み止めなどで治療を先延ばしにするのではなく、まずはお気軽にご相談ください。
<経皮的レーザー椎間板減圧術(PLDD)>
レーザーを椎間板内の髄核に照射して縮小させ、神経の圧迫を軽減する治療法です。施術に要する時間は一箇所あたり15〜30分程度と短時間なので、日帰りが可能。1mm程度の穴から治療できるため、術後の出血や痛みが抑えられることも特徴です。
<経皮的内視鏡下椎間板摘出術(PED)>
内視鏡を使用して椎間板を摘出する手術です。切開幅は約7mmと、細い内視鏡を使って手術を行うため患者さんの身体への負担を抑えられるのが特徴。レーザー治療では対応が難しい重症例にも効果が期待できます。手術時間は1〜2時間程度で、日帰りが可能です。
<経皮的椎間板再生治療(PDR)>
損傷した椎間板の再生を促す治療方法です。患者様の血液から濃縮血小板由来の成長因子を抽出し、幹細胞上清液とともに損傷した椎間板に投与。組織を修復する働きを持つ成分が、椎間板を再生します。PLDDと併用することも可能です。
<PEL(脊柱管狭窄症内視鏡下手術)>
低侵襲手術であるPEL(脊柱管狭窄症内視鏡下手術)は7〜8mmの小さな切開で済み、日帰り手術が可能です。切開を伴う除圧術や固定術では全身麻酔が必要ですが、内視鏡下で行うPELは局所麻酔で神経の圧迫を取り除けます。早期に社会復帰したい方や、持病や年齢により全身麻酔下の手術が受けられない方にとって、特に利点の大きい手術です。
<ディスクフロー治療>
傷を塞ぐ接着剤のような役割を持つ「フィブリン」という物質を患者さんの血液から生成し、椎間板の亀裂を封鎖する治療です。ご自身の血液からつくる自己フィブリンなので、アレルギーや拒絶反応、感染などのリスクを抑えられます。
┃5.まとめ
鎮痛薬は仕事や日常生活に影響する程の痛みを、一時的に抑えるぶんには効果的ですが、痛みがなくなるからといって、根本的な原因と向き合わないのは、問題を先延ばしにしているだけです。もしも腰痛に関するお悩みがある際は、お気軽にご相談ください。
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