院長ブログ

  • HOME > 
  • 院長ブログ > 
  • 脊柱管狭窄症と診断されたら……日常でやる…
2025.11.12

脊柱管狭窄症と診断されたら……日常でやるべき腰痛対策

腰痛を引き起こす「脊柱管狭窄症」は、背骨の周りに何らかの異常が起きて、背骨の中を通る神経を圧迫してしまう病気です。脊柱管狭窄症患者のうち約3割は自然に治るとも言われており、脊柱管狭窄症と診断されると、日常生活に支障をきたしていない限り、まずは保存療法を行うことがほとんど。ここでは、脊柱管狭窄症と診断された後、どのようなことに気を付けて日常生活を送るべきなのか、対策を紹介します。

<コラム監修者>

田中聡院長

田中聡(たなか さとし)

表参道総合医療クリニック院長


大阪医科大学医学部卒業。救急車搬送が日本で一番多い「湘南鎌倉総合病院」や「NTT東日本関東病院」にて脳神経外科医として脊椎・脊髄疾患、脳疾患、がん患者の治療に従事。その後、稲波脊椎関節病院で脊椎内視鏡、森山記念病院で脳・下垂体の内視鏡の経験。様々な患者様を診療するようになりました。しかし、脳出血や脳梗塞の方は、手術をしても脳機能自体は回復しないため、麻痺は改善しません。また腰痛が改善しなかったり、手術後も痛みやしびれが残る後遺症に悩まされている患者様を見てきて、「現代の医療では解決できない問題を治療したい」と表参道総合医療クリニックを開院しました。開院後、多数の腰痛日帰り手術や、再生医療などを行い、多方面から高い評価をいただいています。

┃1.脊柱管狭窄症とは

脊柱管狭窄症とは、背骨の中にある神経の通り道「脊柱管」が何かしらの理由で狭くなってしまい、中を通っている神経を圧迫してしまう病気です。そうすると、神経がダメージを負ってしまい、腰痛だけでなくお尻や下肢に痛みや痺れが出現します。

また脊柱管狭窄症の特徴的な症状として「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」というものがあります。これは歩いていると痛みや痺れが出てきて、休むと楽になるけども、また歩き始めると再び痛みや痺れが出てくるという現象で、痛みや痺れが出てくる間隔は患者によって差があります。

┃2.脊柱管狭窄症の初期対応について

脊柱管狭窄症は背骨の変形などが原因となって起こります。すでに重症化していて、排尿障害や、歩けないなど日常生活に支障をきたしている場合は、すぐに手術をする必要がありますが、軽度の場合は保存療法によって経過観察することも少なくありません。実際、脊柱管狭窄症患者のうち、約3割程度が自然によくなる可能性があるとされています。

ここでは主な保存療法について紹介します。

<薬物療法>

痛み止めや、神経の動きを改善する薬を服用して、痛みや痺れを緩和させます。

<神経ブロック注射>

痛みの原因となっている神経の周辺に局所麻酔などを注射し、痛みの信号を遮断することで痛みを軽減させます。即効性が高い治療方法です。また痛みの悪循環となってしまう神経の興奮や血行不良も改善し、炎症を抑えるのにも効果的です。

<リハビリテーション>

腰回りの筋肉を鍛えたり、柔軟性を高める「運動療法」を行います。そのほか患部を温める温熱療法や、電気刺激を与えて麻痺や筋力の低下、痛み緩和などを図る電気刺激療法などを用いる「理学療法」が行われます。

<装具療法>

コルセットなどを装着し、腰の動きを安定させることで、痛みを軽減したり、悪化するのを防止したりします。また正しい姿勢を維持するのにも役立ちます。

┃3.保存療法中にできる日常での対策

PRP療法にはさまざまなメリットがありますが、注意点もあります。リスクも押さえた上で、適した治療法を検討しましょう。

保存療法での治療を行っているときに、腰痛や腰回りの神経に負荷を与えることを継続的に行ってしまっていては、当たり前に悪くなっていきます。腰痛治療の基本は「日常生活の改善」です。そのため自分の無意識の動作が腰に負担をかけていないか、見直すことが何よりも大切です。

ここでは日常生活でできる脊柱管狭窄症の対策をまとめました。

<長時間同じ姿勢にならない>

長い時間座りっぱなしや立ちっぱなしになっていると、血流が悪くなってしまいます。血流が悪くなると、筋肉がこわばり、痛みを引き起こしてしまうので、定期的にストレッチをすることをおすすめします。

ストレッチをする際、腰を反らしたり背筋を伸ばすのは狭くなっている脊柱管をさらに狭めてしまう可能性があるのでNG。前屈するような形でのストレッチが望ましいです。

<適性体重を維持する>

人間の身体がバランスを保っていられるのは、腰で身体を支えているから。体重が増えると、その分、腰にも負担がかかってしまいます。肥満傾向にある人は、適度な運動や食事の見直しを行い、体重を落とすだけでも、腰への負担はぐんと減るでしょう。

<安静にする>

痛みが強い急性期には、身体を安静にするのが一番です。この時期に運動をするとかえって症状が酷くなる場合もあるので、身体を動かすタイミングは医師に相談することをおすすめします。

<適度な運動>

我慢できるぐらいの痛みであれば、適度な運動は効果的です。ずっと安静にしたままでは、腰回りの筋肉が衰えてしまい、背骨への負担が増える可能性も。また血行が悪くなって痛みが増加するというケースもあります。

1日30分ぐらいのウォーキングや、前屈みになるため腰への負担が少ない自転車、エアロバイクなどがおすすめです。ウォーキングは間欠性跛行が出ることもあるので、無理せず行いましょう。

<正しい姿勢>

正しい姿勢というと、「背骨を伸ばす」とイメージする人が多いのですが、そうすると反り腰になってしまい、余計に負担をかけてしまいます。正しい姿勢のイメージは「お腹を伸ばす」ことを意識すると、いいかもしれません。

>>「立ち方の改善による腰痛予防」はこちら

┃4.腰痛が慢性化する前に「日帰り手術」の選択肢

保存療法を行っても確実に治るとは言い切れません。そのため、この期間中に「もしも治らなかったら」「もしも悪化してしまったら」ということも考えておく必要があります。

悪化した場合は、脊柱管の狭まっている原因を取り除くための手術を行います。当院では日帰りでできる腰痛手術を多数用意していますので、患者さんの状態や生活に合わせて治療計画を行います。

<PDR法(経皮的椎間板再生治療)>

PDR法(経皮的椎間板修復治療)

患者さんの血液から抽出した成長因子と幹細胞上清液を椎間板に注入し、変性した組織の修復を促進します。注入は穿刺針で行うため、メスでの切開は不要。1ヶ所あたり20〜30分程度で治療が完了し、その日のうちにお帰りいただけます。

>>PDR法の詳細はこちら

【主な対象疾患】
椎間板ヘルニア、椎間板変性症、脊柱管狭窄症、腰椎すべり症、腰椎分離症など

【費用】
1ヶ所 1,100,000円(税込)
2ヶ所 1,210,000円(税込)
3ヶ所 1,320,000円(税込)
4ヶ所 1,430,000円(税込)

【副作用・リスク】
内出血、腫れ、発赤、疼痛、かゆみ、変色、圧痛、筋肉痛、腰の違和感など

<PRP療法(多血小板血漿療法)>

PRP療法は、患者さんの血液から血小板を抽出・濃縮し、患部に注射する治療法です。血小板にはさまざまな成長因子が含まれており、組織の修復を促す効果が期待できます。

>>PRP療法の詳細はこちら

【主な対象疾患】
椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、圧迫骨折による神経損傷など

【費用】
1ヶ所550,000円

【副作用・リスク】
注射部位の一時的な腫れや痛み、感染など

<SAST法(脊椎幹細胞移植術)>

SAST(脊椎幹細胞移植)

患者さんの脂肪から幹細胞を取り出して培養し、椎間板や腰椎などに移植する治療法です。幹細胞には傷ついた組織を再生する働きがあるため、症状の改善が見込めます。

>>SAST法の詳細はこちら

【主な対象疾患】
椎間板ヘルニア、椎間板変性症、脊柱管狭窄症、腰椎すべり症、腰椎分離症など

【費用】
1回165万円

【副作用・リスク】
注射部位の一時的な腫れや痛み、感染など

<PLDD法(経皮的レーザー椎間板減圧術)>

PLDD

レーザーを椎間板内の髄核に照射して縮小させ、神経の圧迫を軽減する治療法です。1ヶ所あたり15〜30分程度と短時間で完了し、日帰りが可能。1mm程度の穴から治療できるため、術後の出血や痛みも抑えられます。

>>PLDD法の詳細はこちら

【主な対象疾患】
椎間板ヘルニア、坐骨神経痛など

【費用】
初回1ヶ所 825,000円(税込)
2ヶ所目以降(椎間加算) 275,000円(税込)

【副作用・リスク】
今まではなかった腰痛、しびれ、筋肉の張り、感染など

<ディスクフロー治療>

ディスクフロー治療

患者さんの血液から抽出した「自己フィブリン」を椎間板に注入して、亀裂や損傷を物理的に塞ぐ治療法です。穿刺針で注入するためメスによる切開は必要なく、日帰りで受けられます。

>>ディスクフロー治療の詳細はこちら

【主な対象疾患】
椎間板ヘルニア、椎間板変性症、脊柱管狭窄症、腰椎すべり症、腰椎分離症など

【費用】
1ヶ所 1,320,000円
2ヶ所 1,430,000円
3ヶ所 1,540,000円
4ヶ所 1,650,000円

【副作用・リスク】
内出血、腫れ、赤み、痛み、かゆみ、変色など

<PED法(経皮的内視鏡下椎間板摘出術)>

PED/>

内視鏡を使用して椎間板を摘出する手術です。細い内視鏡を使って手術を行うため切開幅は約7mmと体への負担を抑えられ、日帰りが可能。PLDD法(レーザー治療)の適応は主に軽度〜中等度の椎間板ヘルニアですが、PED法では重症例にも効果が期待できます。

>>PED法の詳細はこちら

【主な対象疾患】
椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症など

【費用】
1カ所 1,540,000円(税込)

【副作用・リスク】
術後血腫、感染、神経損傷など

<PEL法(脊柱管狭窄症内視鏡下手術)>

PEL(脊柱管狭窄症内視鏡下手術)

┃5.まとめ

近年では、再生医療や日帰り手術をはじめとした腰痛治療の新しい選択肢が増えてきています。手術を避けたいといったニーズにも柔軟に対応しますので、ぜひご相談ください。リスクや術後の経過についても、丁寧にご説明いたします。

再生医療とは

┃YouTubeでも医療知識を紹介しています

今回の内容はYouTubeでも田中院長がお話ししています。そのほかにも様々ありますので、ぜひご覧ください。



To Top
ご予約・お問合せ 24時間受付WEB予約 日帰り手術・がん治療のご相談