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2025.09.07

「脊柱管狭窄症」を手術しないで治す方法はあるの?再生医療や日帰り手術の選択肢

腰痛を引き起こす「脊柱管狭窄症」。背骨の中にある脊髄神経が通っている管が狭くなってしまい、神経自体が圧迫されることで、下肢の痛みや痺れ、腰痛などが発生します。重症化した場合は手術が必要になることも。入院や長期間のリハビリテーションがネックとなる人は「手術しないで治す方法はないのか」と思う方も多いでしょう。今回は脊柱管狭窄症についての解説のほか、一般的な治療法から再生医療、日帰り手術などをご紹介します。

<コラム監修者>

田中聡院長

田中聡(たなか さとし)

表参道総合医療クリニック院長


大阪医科大学医学部卒業。救急車搬送が日本で一番多い「湘南鎌倉総合病院」や「NTT東日本関東病院」にて脳神経外科医として脊椎・脊髄疾患、脳疾患、がん患者の治療に従事。その後、稲波脊椎関節病院で脊椎内視鏡、森山記念病院で脳・下垂体の内視鏡の経験。様々な患者様を診療するようになりました。しかし、脳出血や脳梗塞の方は、手術をしても脳機能自体は回復しないため、麻痺は改善しません。また腰痛が改善しなかったり、手術後も痛みやしびれが残る後遺症に悩まされている患者様を見てきて、「現代の医療では解決できない問題を治療したい」と表参道総合医療クリニックを開院しました。開院後、多数の腰痛日帰り手術や、再生医療などを行い、多方面から高い評価をいただいています。

┃1.腰痛を引き起こす「脊柱管狭窄症」とは

脊柱管狭窄症とは、背骨を構成する骨や椎間板、靭帯などに囲まれてできたトンネル状の管が狭くなってしまい、その中を通る脊髄神経が圧迫されてしまう疾患です。脊髄神経が圧迫されてしまうと、下肢の痛みや痺れ、腰痛などの症状が出てきます。

>>脊柱管狭窄症のセルフチェック

脊柱管狭窄症の症状として代表的なのが「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」。この症状は歩いているとお尻や足に痺れを感じたり、脱力してしまったりするものの、座って休むと症状が収まります。また症状が治まった後、再び歩き始めると同じ症状が出てきてしまうのも特徴の1つです。

>>間欠性跛行について

脊柱管狭窄症を長期間放置してしまうと、筋力が衰えたり症状が出ている周囲の骨密度が低下してしまったりする可能性があります。さらに重症化すると、排尿障害や排便障害を引き起こします。

┃2.脊柱管狭窄症の一般的な治療方法

軽度から中程度であれば、脊柱管狭窄症患者のうち3割程度が自然によくなる可能性があります。日常生活に支障がなければ、手術をしない保存療法を行っていきます。ただし、保存療法では改善が見込めない、病気の進行が早いといった事情があると手術をする判断をされるかもしれません。

整体やマッサージは痛みや痺れを緩和する場合はありますが、症状の原因である脊柱管の狭窄を取り除く施術は難しいため、根本的な治療は難しいと考えられています。

下記に病院で行われる一般的な治療法をまとめました。

<保存療法>

【薬物療法】

痛み止めや、神経の動きを改善する薬を服用して、痛みや痺れを緩和させます。

【神経ブロック注射】

痛みの原因となっている神経の周辺に局所麻酔などを注射し、痛みの信号を遮断することで痛みを軽減させます。即効性が高い治療方法です。また痛みの悪循環となってしまう神経の興奮や血行不良も改善し、炎症を抑えるのにも効果的です。

【リハビリテーション】

腰回りの筋肉を鍛えたり、柔軟性を高める「運動療法」を行います。そのほか患部を温める温熱療法や電気刺激を与えて麻痺や筋力の低下、痛み緩和などを図る電気刺激療法などを用いる「理学療法」が行われます。

【生活習慣の改善】

日常生活から正しい姿勢を意識し、腰への負担を減らします。「重いものを持つときには腰を曲げない」「階段の上り下りを避ける」などの工夫も大切です。また体重が重いと腰の負担も増えてしまうため、適性体重を維持することも重要。このほか、腰を安定させるコルセットの着用も効果的です。

>>腰痛予防の立ち姿勢

<手術療法>

【除圧術】

神経を圧迫する原因となっている骨や靭帯を削り、脊柱管を広げる手術です。

【固定術】

削った箇所に金属や人工骨を入れて背骨を固定します。

┃3.脊柱管狭窄症を手術しないで治す選択肢

昨今では、脊椎疾患による腰痛などを手術することなく改善する選択肢も増えてきています。

傷ついた組織を修復する「再生医療」や、メスを使用せずに椎間板ヘルニアを治療するレーザー治療が代表的な例。特に脊柱管の狭窄を起こしていた部位の損傷や、狭窄によってダメージを負った神経細胞の再生・修復は難しいとされていましたが、再生医療の研究が進展したことによって治療できる可能性が高まってきました。

また手術による体への負担や、入院期間の長さがネックになっているのであれば、傷が小さく、入院やリハビリテーションが不要な「日帰り腰痛手術」も選択肢に入れてもいいかもしれません。

┃4.当院の再生医療・レーザー治療・日帰り手術

当院では腰痛にアプローチするレーザー治療や日帰り手術と再生医療を組み合わせた自由診療をご提供しています。それぞれを組み合わせることで、より患者さんの症状を効果的に改善していきます。

<PDR法(経皮的椎間板再生治療)>

PDR法(経皮的椎間板修復治療)

患者さんの血液から抽出した成長因子と幹細胞上清液を椎間板に注入し、変性した組織の修復を促進します。注入は穿刺針で行うため、メスでの切開は不要。1ヶ所あたり20〜30分程度で治療が完了し、その日のうちにお帰りいただけます。

>>PDR法の詳細はこちら

【主な対象疾患】
椎間板ヘルニア、椎間板変性症、脊柱管狭窄症、腰椎すべり症、腰椎分離症など

【費用】
1ヶ所 1,100,000円(税込)
2ヶ所 1,210,000円(税込)
3ヶ所 1,320,000円(税込)
4ヶ所 1,430,000円(税込)

【副作用・リスク】
内出血、腫れ、発赤、疼痛、かゆみ、変色、圧痛、筋肉痛、腰の違和感など

<PRP療法(多血小板血漿療法)>

PRP療法は、患者さんの血液から血小板を抽出・濃縮し、患部に注射する治療法です。血小板にはさまざまな成長因子が含まれており、組織の修復を促す効果が期待できます。

>>PRP療法の詳細はこちら

【主な対象疾患】
椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、圧迫骨折による神経損傷など

【費用】
1ヶ所550,000円

【副作用・リスク】
注射部位の一時的な腫れや痛み、感染など

<SAST法(脊椎幹細胞移植術)>

SAST(脊椎幹細胞移植)

患者さんの脂肪から幹細胞を取り出して培養し、椎間板や腰椎などに移植する治療法です。幹細胞には傷ついた組織を再生する働きがあるため、症状の改善が見込めます。

>>SAST法の詳細はこちら

【主な対象疾患】
椎間板ヘルニア、椎間板変性症、脊柱管狭窄症、腰椎すべり症、腰椎分離症など

【費用】
1回165万円

【副作用・リスク】
注射部位の一時的な腫れや痛み、感染など

<PLDD法(経皮的レーザー椎間板減圧術)>

PLDD

レーザーを椎間板内の髄核に照射して縮小させ、神経の圧迫を軽減する治療法です。1ヶ所あたり15〜30分程度と短時間で完了し、日帰りが可能。1mm程度の穴から治療できるため、術後の出血や痛みも抑えられます。

>>PLDD法の詳細はこちら

【主な対象疾患】
椎間板ヘルニア、坐骨神経痛など

【費用】
初回1ヶ所 825,000円(税込)
2ヶ所目以降(椎間加算) 275,000円(税込)

【副作用・リスク】
今まではなかった腰痛、しびれ、筋肉の張り、感染など

<ディスクフロー治療>

ディスクフロー治療

患者さんの血液から抽出した「自己フィブリン」を椎間板に注入して、亀裂や損傷を物理的に塞ぐ治療法です。穿刺針で注入するためメスによる切開は必要なく、日帰りで受けられます。

>>ディスクフロー治療の詳細はこちら

【主な対象疾患】
椎間板ヘルニア、椎間板変性症、脊柱管狭窄症、腰椎すべり症、腰椎分離症など

【費用】
1ヶ所 1,320,000円
2ヶ所 1,430,000円
3ヶ所 1,540,000円
4ヶ所 1,650,000円

【副作用・リスク】
内出血、腫れ、赤み、痛み、かゆみ、変色など

<PED法(経皮的内視鏡下椎間板摘出術)>

PED/>

内視鏡を使用して椎間板を摘出する手術です。細い内視鏡を使って手術を行うため切開幅は約7mmと体への負担を抑えられ、日帰りが可能。PLDD法(レーザー治療)の適応は主に軽度〜中等度の椎間板ヘルニアですが、PED法では重症例にも効果が期待できます。

>>PED法の詳細はこちら

【主な対象疾患】
椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症など

【費用】
1カ所 1,540,000円(税込)

【副作用・リスク】
術後血腫、感染、神経損傷など

<PEL法(脊柱管狭窄症内視鏡下手術)>

PEL(脊柱管狭窄症内視鏡下手術)

┃5.まとめ

近年では、再生医療や日帰り手術をはじめとした腰痛治療の新しい選択肢が増えてきています。手術を避けたいといったニーズにも柔軟に対応しますので、ぜひご相談ください。リスクや術後の経過についても、丁寧にご説明いたします。

再生医療

┃YouTubeでも医療知識を紹介しています

今回の内容はYouTubeでも田中院長がお話ししています。そのほかにも様々ありますので、ぜひご覧ください。



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