
腰痛の手術には保険診療のものと自由診療のものがあり、自由診療の場合は治療費が気になるかもしれません。しかし、医療費控除を活用すれば、費用の負担を軽減できる可能性があります。
今回は、日帰り腰痛手術の医療費控除の可否と、医療費控除を受けるための確定申告の方法について解説します。
<コラム監修者>

田中聡(たなか さとし)
表参道総合医療クリニック院長
大阪医科大学医学部卒業。救急車搬送が日本で一番多い「湘南鎌倉総合病院」や「NTT東日本関東病院」にて脳神経外科医として脊椎・脊髄疾患、脳疾患、がん患者の治療に従事。その後、稲波脊椎関節病院で脊椎内視鏡、森山記念病院で脳・下垂体の内視鏡の経験。様々な患者様を診療するようになりました。しかし、脳出血や脳梗塞の方は、手術をしても脳機能自体は回復しないため、麻痺は改善しません。また腰痛が改善しなかったり、手術後も痛みやしびれが残る後遺症に悩まされている患者様を見てきて、「現代の医療では解決できない問題を治療したい」と表参道総合医療クリニックを開院しました。開院後、多数の腰痛日帰り手術や、再生医療などを行い、多方面から高い評価をいただいています。
◆目次
1.腰痛治療は医療費控除の対象?
2.医療費控除額と還付額の計算方法
3.医療費控除を受けるための確定申告方法
4.当院の日帰り腰痛手術は医療費控除可能
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┃1.腰痛治療は医療費控除の対象?
腰痛の治療には保険が適用されるものと自由診療のものがありますが、どちらも基本的に医療費控除の対象となります。
<医療費控除可否の基準>
医療費控除の対象となるのは、疾患の治療や体の機能の改善を目的とした処置にかかった費用と、治療を受けるために直接必要な費用(公共交通機関を利用した通院費など)です。保険適用の有無は問いません。
したがって、腰痛の緩和や原因の除去を目的に治療や手術を受ける場合は、自由診療であっても医療費控除の対象となります。ただし、腰痛がない状態で予防のために注射を打つといった、予防・健康増進を目的とした施術は医療費控除の対象外です。
また、ひと月に支払った医療費の自己負担額が一定金額を超えた場合に超過分の支給を受けられる「高額療養費制度」は保険診療のみが対象なので、自由診療には適用されません。
<腰痛治療の種類>
腰痛治療は、大きくは保存療法と手術療法に分けられます。原因や症状の程度によって治療方針は異なりますが、一般的にはまず保存療法を行い、十分な改善がみられない場合に手術を検討します。
| 内容 | 治療法の例 | |
|---|---|---|
| 保存療法 | 手術をしない治療法全般のこと | 内服薬・外用薬、注射、運動療法、理学療法、装具療法 |
| 手術療法 | 外科的な処置によって腰痛の原因を取り除き、症状の緩和を目指す治療法 | 椎間板ヘルニア摘出術、脊柱管狭窄症に対する除圧術 |
<保険診療・自由診療の違い>
保険診療は自己負担を抑えられますが、治療法や治療スケジュール、使用できる薬剤などに制限があります。一方で、自由診療は治療費が全額自己負担となるものの、治療選択肢の幅が広く、スケジュールも柔軟に調整しやすいのが特徴です。
腰痛手術では、自由診療なら日帰り手術を選択できる場合があります。たとえば、脊柱管狭窄症に対する日帰り低侵襲手術の「PEL」は、7mm程度の小さな傷口から細い内視鏡を挿入して神経の圧迫を取り除く方法です。局所麻酔で手術を行うため、年齢や持病などの理由で全身麻酔ができない方にも適応できる可能性があります。
┃2.医療費控除額と還付額の計算方法
医療費控除額は、次の式で計算します。
(実際に支払った医療費の総額)-(保険金などで補填された金額)- 10万円*
*申告対象年の総所得金額が200万円未満の場合、10万円ではなく総所得金額の5%
たとえば、所得が650万円で1年間に100万円の医療費を支払い、保険金などでの補填がなかった場合、金額は以下のようになります。
控除額:100万円(医療費)-0円(保険金)-10万円=90万円
還付額:90万円(控除額)×20%(所得税率)**=18万円
**所得税率は所得金額によって異なる
なお、控除額の上限は200万円です。
医療費は本人の分だけでなく、生計を一にする家族の分も合算できます。家族の中で所得が高い方が申告した方が、還付額が大きくなる傾向があります。
┃3.医療費控除を受けるための確定申告方法
医療費控除を受けるためには、確定申告を行う必要があります。
<確定申告とは?>
確定申告とは、1年間(1月1日〜12月31日まで)の所得を計算し、税務署に申告する手続きです。会社員などで、会社が本人の代わりに年末調整を行っている場合も、医療費控除を受けたい場合は確定申告する必要があります。
その年に支払った医療費について、翌年の確定申告期間に申告するのが原則ですが、医療費控除のみの申告であれば、5年間は遡って申告可能です。
<確定申告の手順>
国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を利用すれば、パソコンやスマートフォンから確定申告できます。大まかな手順は以下の通りです。
①パソコンやスマートフォンなどで「確定申告書等作成コーナー」にアクセスする
②マイナンバーカードをスマートフォンなどで読み取ってログインする
③「作成開始」ボタンを押し、所得額などを入力する
④医療費を入力する
⑤画面の案内に従って申請する
マイナポータルと連携しておけば保険診療分の医療費を自動取得できるため、入力の手間を減らせます。自由診療の医療費は自動反映されませんが、合算したい保険診療の医療費がある場合は便利です。
「確定申告書等作成コーナー」の利用には、マイナンバーカードが必要です。事前に、本体および電子証明書の有効期限を確認しておきましょう。
なお、紙で申告したい場合は税務署で用紙を受け取るか、国税庁のホームページからダウンロードして印刷できます。
┃4.当院の日帰り腰痛手術は医療費控除可能
当院で行っている日帰り腰痛手術はいずれも自由診療で、医療費控除の対象となります。検査結果や症状、ご希望を踏まえて治療法をご提案しますので、まずはご相談ください。
<PEL>
PELは全ての手術操作を内視鏡下で行う手術です。体を大きく傷つけずに脊椎内部の奥深いところを観察し、神経の圧迫を取り除きます。局所麻酔で行えるため、高齢の方や持病のある方など全身麻酔下の手術が受けられない方にとってもメリットの大きい手術です。
対象疾患:脊柱管狭窄症、すべり症など
<PLDD>
PLDDは、レーザーを椎間板の髄核に照射して椎間板を縮小し、神経の圧迫を軽減する治療です。施術に要する時間は1か所あたり15~30分程度で、院内の滞在時間も数時間程度で済むため、日帰りでの手術が可能です。
対象疾患:椎間板ヘルニア
<PDR>
PDRは経皮的椎間板再生治療ともいいます。患者さんの血液を採取し、濃縮血小板由来の成長因子(PRP)を抽出。PRPと幹細胞上清液を患部に注入し、透視装置を使って損傷した椎間板に成長因子と幹細胞上清液を投与します。PLDDと併用することも可能で、日帰りで手術を受けることができます。
対象疾患:椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症など
<PED>
PEDは、経皮的内視鏡下椎間板摘出術とも呼ばれる手術です。細い内視鏡を使って行うため、低侵襲なのが特徴。日帰りで受けることができ、術後の生活への影響も少ないとされています。
対象疾患:椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症など
<ディスクフロー治療>
傷を塞ぐ接着剤のような役割を持つ「フィブリン」という物質を患者さんの血液から生成し、椎間板の亀裂を封鎖する治療です。ご自身の血液からつくる自己フィブリンなので、アレルギーや拒絶反応、感染などのリスクを抑えられます。
対象疾患:椎間板ヘルニアなど
<SAST>
患者さん自身の脂肪から幹細胞を取り出して培養し、椎間板、頚椎、腰椎などに移植する治療法です。幹細胞には傷ついた組織を再生する働きがあり、損傷した椎間板や脊椎の修復を促して腰痛の改善を図ります。
対象疾患:椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、椎間板変性症、すべり症など
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