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2025.10.15

慢性的な腰痛の原因は神経損傷かも? 血小板の力で治療する「PRP療法」とは

「長い間、慢性的な腰痛に悩まされている方はいらっしゃいませんか? 「整形外科に行ったけど、骨に異常はなく原因がわからなかった」「整体や鍼に何十年も通っている」という人も少なくないかもしれません。ここではなぜ慢性的な腰痛が起きてしまうのかと、その腰痛を改善する再生医療を使った治療法について解説します。

<コラム監修者>

田中聡院長

田中聡(たなか さとし)

表参道総合医療クリニック院長


大阪医科大学医学部卒業。救急車搬送が日本で一番多い「湘南鎌倉総合病院」や「NTT東日本関東病院」にて脳神経外科医として脊椎・脊髄疾患、脳疾患、がん患者の治療に従事。その後、稲波脊椎関節病院で脊椎内視鏡、森山記念病院で脳・下垂体の内視鏡の経験。様々な患者様を診療するようになりました。しかし、脳出血や脳梗塞の方は、手術をしても脳機能自体は回復しないため、麻痺は改善しません。また腰痛が改善しなかったり、手術後も痛みやしびれが残る後遺症に悩まされている患者様を見てきて、「現代の医療では解決できない問題を治療したい」と表参道総合医療クリニックを開院しました。開院後、多数の腰痛日帰り手術や、再生医療などを行い、多方面から高い評価をいただいています。

┃1.なぜ慢性腰痛が起こる?

「慢性腰痛」とは腰の痛みが3か月以上続く状態を指します。原因が特定できる場合と、特定できない場合があり、それによって治療方法が変わってきます。

レントゲンや腰椎MRIなどの画像検査で腰痛の原因が特定できれば、具体的な治療計画を出すことができますが、腰痛の理由は人それぞれ。わからなかった場合は、薬などで痛みを緩和したり、コルセットなどで腰への負荷を減らしたりするしか対処方法はありません。

ここでは画像検査などで原因不明とされた場合、考えられる腰痛の原因をまとめました。

<原因①筋肉のこわばり>

重いものを繰り返し持ち上げたり、腰に負荷のかかる姿勢で動いたりすると腰の筋肉や靭帯に負担がかかってしまい、こわばってしまう原因になります。また、長時間同じ姿勢でいる場合、筋肉が緊張してしまうので、姿勢を変えたときに柔軟性が失われているのでこわばりを感じることもあります。

<原因②冷え>

冷えることで血管が細くなり、血行が悪くなります。血流が悪くなると筋肉が硬くなってしまうので、こわばりを感じ、痛みに繋がる原因となります。

<原因③筋力の低下>

運動不足や加齢によって背中やお腹の筋肉量が少なくなると、腰回りの正しい姿勢を維持するのが難しくなってしまいます。結果、腰の靭帯や骨などの負担が増えて痛みにつながってしまいます。また周辺の筋肉にも負担がかかってしまうので、筋肉が変にこわばってしまい、痛みにつながることもあります。

<原因④ストレス>

精神的に負荷を感じる状態が長時間続くと、身体を活発化させる交感神経が優位になります。すると筋肉が緊張。こわばった状態が続くことで、血行不良を引き起こし、さらにそれが原因で疲労物質が体内に蓄積してしまうという悪循環が発生します。

<原因⑤腰痛治療の後遺症>

「椎間板ヘルニア」や「脊柱管狭窄症」などの治療を行ったあとも痛みが残っている場合は、後遺症の可能性もあります。腰痛治療の後遺症が残る原因は、神経の損傷がほとんどです。

神経の損傷が起こる要因はいくつか考えられます。

【神経へのダメージ】

長い間、椎間板ヘルニアや、脊柱管狭窄症で神経の圧迫が続いていると、神経にダメージが残ってしまい、根本原因を取り除いたあとも痛みやしびれが残ることがあります。そのほか、手術によって損傷する場合もあります。

【組織の癒着】

手術後、本来のくっついていないはずの組織同士がくっついてしまうことがあります。

【固定具の影響】

固定術などを行った際には、その器具の影響で血行が悪くなってしまい、痛みや痺れを引き起こすことがあります。

┃2.神経ダメージを修復させる再生医療

慢性的な腰痛のうち、血流の改善や筋肉のこわばり、筋力低下が原因であればリハビリテーションを行ったり、コルセットの装着などで腰痛の原因を解決することができます。また整体などに行くのもいいかもしれません。

しかし、神経が損傷している場合はそうはいきません。神経は一度ダメージを追うと、自分の力では修復することができないのです。

そのためPRP療法という再生医療を行います。

<PRP療法とは>

血小板にはさまざまな効果をもたらす細胞で、周りの細胞に働きかけて組織の修復を促す働きを持っています。この作用を利用したのが、患者さん自身の血液を使って行う「PRP療法」です。PRP(多血小板血漿)は、採血を行った後、採取した血液から血小板を抽出・濃縮したもの。これを患部に注射して、損傷している組織の修復を促します。

また炎症を抑える作用も期待できるため、痛みを軽減する効果も見込めます。

┃3.PRP療法のメリットと注意点

PRP療法にはさまざまなメリットがありますが、注意点もあります。リスクも押さえた上で、適した治療法を検討しましょう。

<PRP療法のメリット>

  • 自分の血液からPRPを抽出するため、アレルギーや拒絶反応のリスクが低い
  • 手術や入院が不要なので、外来で行うことができる
  • 自然修復が難しい神経を再生できる可能性がある
  • さまざまな疾患に対して効果が期待できる
  • 治療に年齢などの制限がない

<注意点・リスク・限界>

  • 患者自身の再生力を利用した治療法なので、効果の程度や期間には個人差がある
  • 自由診療のため保険が適応されない
  • 新しい治療法のため、長期での体への影響が確認されていない

┃4.当院のPRP療法の流れと費用

当院では、患者さんお一人おひとりの状態や生活スタイルに合わせ、適切な治療法をご提案します。ここでは、当院のPRP療法の流れと費用を紹介します。

<当院のPRP療法の流れ>

当院では、以下のような流れでPRP療法を行います。

【診察・カウンセリング】

診察や検査で膝の状態を確認し、PRP療法が適しているか判断します。

【採血・PRPの精製】

患者さんの血液を採取し、遠心分離機を用いて血小板を濃縮したPRPを精製します。

【PRPの注射】

患部にPRPを注射します。採血から注射まで30分程度で終わり、その日のうちにご帰宅いただけます。

<費用>

PRP療法は保険適用外(自由診療)です。当院では、以下の費用で腰痛に対するPRP療法を行っています。

腰痛に対してのPRP-FD(2V):1,100,000円

┃5.PRP療法と幹細胞治療を組み合わせた「PDR」も

当院では、より効果的に腰痛を改善するためにPRP療法と幹細胞治療を組み合わせた「PDR」という治療を提供しています。

<PDR(経皮的椎間板再生治療)とは>

PDRは経皮的椎間板再生治療ともいい、患者自身の血液を採取した後、そこから濃縮血小板由来の成長因子を抽出。濃縮血小板由来の成長因子(PRP)と幹細胞上清液を患部の椎間板に注入し、透視装置を使って損傷した椎間板に成長因子と幹細胞上清液を投与します。

【費用】
1箇所:1,100,000円
2箇所:1,210,000円
3箇所:1,320,000円
4箇所:1,430,000円
※すべて税込み

>>PDRの詳細はこちら

┃6.まとめ

PRP療法は、自分自身の血液から抽出した成分を利用して組織の修復を助ける再生医療の一つです。腰痛だけでなく、スポーツ傷害、膝など関節痛など、さまざまな疾患に効果が期待できます。手術を避けたい方や、一般的な治療で十分に症状が改善しない方は、お気軽にご相談ください。

PRP療法

┃YouTubeでも医療知識を紹介しています

今回の内容はYouTubeでも田中院長がお話ししています。そのほかにも様々ありますので、ぜひご覧ください。



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