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2026.04.10

幹細胞の採取方法ってどんなのがあるの?組織幹細胞の種類とあわせてご紹介

再生医療や、血液難病の治療で欠かせない組織幹細胞の存在。これらはドナーもしくは患者本人から採取して治療に活かされます。今回は、どのような採取方法があるのかを、幹細胞の種類とともにまとめました。

<コラム監修者>

田中聡院長

田中聡(たなか さとし)

表参道総合医療クリニック院長


大阪医科大学医学部卒業。救急車搬送が日本で一番多い「湘南鎌倉総合病院」や「NTT東日本関東病院」にて脳神経外科医として脊椎・脊髄疾患、脳疾患、がん患者の治療に従事。その後、稲波脊椎関節病院で脊椎内視鏡、森山記念病院で脳・下垂体の内視鏡の経験。様々な患者様を診療するようになりました。しかし、脳出血や脳梗塞の方は、手術をしても脳機能自体は回復しないため、麻痺は改善しません。また腰痛が改善しなかったり、手術後も痛みやしびれが残る後遺症に悩まされている患者様を見てきて、「現代の医療では解決できない問題を治療したい」と表参道総合医療クリニックを開院しました。開院後、多数の腰痛日帰り手術や、再生医療などを行い、多方面から高い評価をいただいています。

┃1.幹細胞とは

幹細胞は体の修復や再生が必要なときに自ら細胞分裂を行い、傷ついたり不足したりした細胞の代わりとなる細胞です。

幹細胞は、特定の細胞に分化できる「組織幹細胞」と、あらゆる細胞に分化できる「多能性幹細胞」の2種類に分けられます。再生医療で主に使われている組織幹細胞は、特定の組織や臓器に存在し、その組織の細胞が傷ついたり、寿命が来たときに、補充する役割を持ちます。組織幹細胞には主に4種類があります。

<間葉系幹細胞>

骨髄や脂肪組織に多く存在する幹細胞です。骨や軟骨、脂肪、筋肉など幅広く分化することができるので、再生医療の現場で多く使われています。

<造血幹細胞>

骨髄に存在する幹細胞。赤血球や白血球、血小板などの血液細胞に分化することができます。

<神経幹細胞>

成人後の脳内においては、海馬の歯状回(しじょうかい)と側脳室付近の脳室下帯(のうしつかたい)という限られた領域に存在する幹細胞。脳や脊髄を構成する「神経細胞(ニューロン)」や、それらを支える「グリア細胞」に分化する能力を持ちます。胎児期には脳を形成する役割を担います。成長後は側脳室や海馬に存在し、記憶や学習の手助けをするほか、脳損傷の修復にも役立ちます。

<皮膚幹細胞>

主に皮膚を指す「表皮」だけでなく、腸、肺といった臓器の表面部分を構成する組織や、外分泌腺を形成する「腺房細胞」などに存在する幹細胞で、損傷したり劣化した組織は常に新しく入れ替えられます。皮膚は約4週間、腸管は3~5日というサイクルで細胞を更新し、組織を機能を維持します。

┃2.幹細胞の主な採取先と方法

治療目的で採取される幹細胞は主に「造血幹細胞」「間葉系幹細胞」です。ここでは、この2種類の採取方法についてご紹介します。

<造血幹細胞>

主に白血病や、悪性リンパ腫、再生不良性貧血など、骨髄移植や造血幹細胞移植が必要な血液難病治療に使用されます。採取方法は下記になります。

【末梢血幹細胞採取】
ドナーは3~6日前から入院または通院で、赤血球を増やす薬剤である「G-CSF(顆粒球コロニー刺激因子)」を毎日1回または2回注射します。その間、ドナーの身体では血液中に幹細胞が放出されているので、毎日、幹細胞採取のための採血が行われます。持続型G-CSFを使用する場合には、注射は1回のみ。幹細胞採取のための採血は投与後5日目~6日目に行われます。

  • 採取時間:3~4時間
  • 副作用:血管迷走神経反射(気分の不快)、クエン酸中毒(しびれ)など

【骨髄採取】
骨髄は複数種類の幹細胞が存在する場所です。骨髄は全身麻酔下で、腰の左右の腸骨(骨盤)に鍼を指し、直接吸引して採取します。全身麻酔を行うので、入院が必要となります。

  • 採取時間:1~3時間程度
    ※入院は3泊4日が一般的です
  • 副作用:採取部位の痛み、貧血など

<間葉系幹細胞>

美容医療や再生医療など幅広く使用される幹細胞です。再生医療の分野では、これまで再生や修復が難しいとされてきた軟骨や椎間板などの修復に利用されています。

【脂肪由来幹細胞採取】
多くの場合、患者本人から採取されます。局所麻酔下で、お腹や太ももなどから1~3gほどの少量の皮下脂肪を採取します。採取時の切開は7㎜程度。局所麻酔なので入院も不要です。

  • 採取時間:全体で1~2時間程度
  • 副作用:採取部位の痛み

【歯髄由来幹細胞の採取】
歯髄幹細胞は、乳歯や親知らず、矯正治療で抜く歯から採取、保存できる幹細胞です。抜糸後48時間以内に専用施設で細胞を抽出、培養し、凍結保存します。炎症が少ない歯ほど良質な細胞が採取できるとされています。

【臍帯血採取】
出産後、へその緒と胎盤に残った血液を専用バックで採取する方法です。母子ともに痛みやリスクはなく、約2~3分で完了します。提供先は主に第三者の移植用として提供される「公的臍帯血バンク」と、将来のご自身や家族の病気に備えて保管する「民間バンク」があります。公的バンクの場合は無料、民間バンクの場合は有料となります。

【臍帯血採取】
骨髄には造血幹細胞だけでなく、間葉系幹細胞も存在します。全身麻酔下で、腰の左右の腸骨(骨盤)に鍼を指し、直接骨髄を吸引して採取します。全身麻酔を行うので、入院が必要となります。

  • 採取時間:1~3時間程度
    ※入院は3泊4日が一般的です
  • 副作用:採取部位の痛み、貧血など

┃3.当院の行う幹細胞治療

当院では主に脂肪由来幹細胞を使用した幹細胞治療を行っています。、患者自身の体から採取した脂肪細胞をもとに幹細胞を培養し、痛みが出ている部位に注射することで傷ついた組織の修復を目指します。場合によっては歯髄由来の幹細胞治療などにも対応可能なので、気になる方は遠慮なくご相談ください。

<①カウンセリング>

事前に服薬情報やMRI画像などをご用意していただいた上で、医師がカウンセリングを行います。体調や既往歴、服薬中の薬、リハビリ状況などを伺います。

<②検査>

感染症の有無を調べるための血液検査や、胸部のレントゲン検査、心電図検査などを行います。

<③脂肪採取>

腹部からごく少量の脂肪を採取します。入院などは不要な場合がほとんどです。

<④幹細胞の培養>

採取した脂肪細胞をCPCに送り、脂肪細胞から幹細胞を分離、培養します。培養には約3週間~6週間を要します。

<⑤幹細胞の静脈内投与、局所投与>

培養した幹細胞を点滴、局所に投与します。投与方法は対応する疾患やお悩み、患者さんの身体の状況などに応じて臨機応変に対応します。

<⑥経過観察>

その後の効果について定期的に経過観察を行います。

<費用>

項目 費用
医師による診察・カウンセリング 11,000円
感染症検査(採血) 11,000円
幹細胞点滴(1億個) 1,650,000円

┃4.まとめ

幹細胞治療にも様々な種類のものがあります。患者さんの身体の状態や、疾患などでも効果的なもの、適切なものが異なることがあるので、もしも気になったらまずは専門の医師に相談してみることをおすすめします。

幹細胞治療

┃YouTubeでも医療知識を紹介しています

今回の内容はYouTubeでも田中院長がお話ししています。そのほかにも様々ありますので、ぜひご覧ください。



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