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2026.02.10

「脂肪由来幹細胞」と「骨髄由来幹細胞」の違いは?採取方法や身体への負担など解説

幹細胞を採取する部位に、主に骨髄と皮下脂肪があります。幹細胞は採取先によって「骨髄由来幹細胞」「脂肪由来幹細胞」と名称を変えます。この2種類の幹細胞にはどのような違いがあるのでしょうか? 今回はそれぞれの細胞の違いをまとめてご紹介します。

<コラム監修者>

田中聡院長

田中聡(たなか さとし)

表参道総合医療クリニック院長


大阪医科大学医学部卒業。救急車搬送が日本で一番多い「湘南鎌倉総合病院」や「NTT東日本関東病院」にて脳神経外科医として脊椎・脊髄疾患、脳疾患、がん患者の治療に従事。その後、稲波脊椎関節病院で脊椎内視鏡、森山記念病院で脳・下垂体の内視鏡の経験。様々な患者様を診療するようになりました。しかし、脳出血や脳梗塞の方は、手術をしても脳機能自体は回復しないため、麻痺は改善しません。また腰痛が改善しなかったり、手術後も痛みやしびれが残る後遺症に悩まされている患者様を見てきて、「現代の医療では解決できない問題を治療したい」と表参道総合医療クリニックを開院しました。開院後、多数の腰痛日帰り手術や、再生医療などを行い、多方面から高い評価をいただいています。

┃1.幹細胞って何?

幹細胞は身体の修復や再生が必要なときに自ら細胞分裂を行い、傷ついたり不足した細胞の代わりとなる細胞です。中でも自分と同じ細胞を作る「自己複製能」と、特定の細胞に変化する「分化能」の2つを持ち合わせた「体性幹細胞」が再生医療には多く活用されています。この幹細胞を使った治療方法が「幹細胞治療」です。

体性幹細胞の代表的な種類「間葉系幹細胞(MSC)」が多く存在する骨髄や脂肪、歯髄、へその緒、胎盤などから、細胞を摂取した後、そこから幹細胞のみを抽出。その抽出した幹細胞を、専門の施設で培養し、患者さんの患部へ注入します。

骨髄や脂肪などは患者さん自身の細胞から摂取したものを使うことができるため、注入後の副作用が少ないのも特徴です。

下記にはそれぞれの領域で期待できる効果をまとめました。

<関節(膝など)>

軟骨組織の修復、再生を促し、可動域の改善します。そのほか痛みの緩和効果も期待できます。

【対応疾患】

  • 関節の痛み(変形性膝関節障害・股関節の痛み・肩の痛みなど)
  • 半⽉板損傷
  • ⾻・神経等の損傷
  • ⾻粗しょう症
  • スポーツ外傷

<脳・神経>

損傷した脳組織の再生を促し、脳梗塞や脳出血による後遺症の軽減します。そのほかアルツハイマー型認知症や、パーキンソン病といった疾患で神経の保護や再生を促すことも可能です。

【対応疾患】

  • 脳⾎管障害(脳卒中・脳梗塞後遺症など)
  • アルツハイマー型認知症
  • パーキンソン病
  • 脊髄損傷
  • 末梢神経障害
  • スポーツ外傷

<血管(循環器)>

損傷した血管の修復、再生による動脈硬化を改善します。そのほか、免疫の調整を行い、自己免疫疾患や慢性的な炎症を抑える効果も期待できます。

【対応疾患】

  • 肝機能障害(肝硬変・劇症肝炎・肝硬変後後遺症)
  • 糖尿病
  • 腎疾患(慢性腎臓病など)
  • 循環器の疾患(虚⾎性⼼疾患による不整脈・⼼不全)
  • ⼼筋梗塞後後遺症
  • 狭⼼症
  • がん免疫治療
  • 男性機能回復(ED)
  • 更年期障害
  • 視⼒回復

<皮膚(美容)>

コラーゲンなどの産生を促進し、肌にハリや弾力をもたらします。またアトピーなどによる炎症やかゆみを抑える効果も見込めます。

【対応疾患】

  • 肌の⽼化防⽌
  • アレルギー性⽪膚炎
  • ⽑髪の再⽣
  • 肌の再生

┃2.骨髄由来幹細胞と脂肪由来幹細胞の違い

幹細胞治療では、できるだけ副作用を少なくするため、患者さんから採取した細胞から培養を行うことがほとんどです。その際、採取する場所の選択肢に挙げられるのが「脂肪」と「骨髄」。ここでは、骨髄由来幹細胞と脂肪由来幹細胞についてそれぞれの特徴と、違いについてまとめました。

<骨髄由来幹細胞>

骨髄細胞から幹細胞を抽出し、培養したものです。局所麻酔後、患者さん自身の骨盤から骨髄液を採取して治療を行います。採取は、うつ伏せの状態で、腰の骨(腸骨)に専用の針を刺し、局所麻酔または全身麻酔下で吸引します。摂取量は患者さんの体重や治療目的により異なり、約30mL〜1200mLの骨髄液を、約30分〜3時間程度かけて採取します。

<脂肪由来幹細胞>

脂肪細胞から幹細胞を抽出し、培養します。患者さんの主に腹部や太もも、お尻の皮下脂肪から取り出します。局所麻酔をした後、吸引法で小指の先程度の1~3グラムを約30分かけて採取。傷は7㎜程度です。

項目 骨髄由来幹細胞 脂肪由来幹細胞
採取部位 骨盤(腸骨)など 腹部、太ももなどの皮下脂肪
身体的負担 高い
※骨髄穿刺が必要
低い
採取できる幹細胞量 少ない 多い
※骨髄の約500倍
増殖能 比較的低い 高い
採取時間 30分~3時間
※場合によっては入院が必要
約30分
※入院不要

┃3.幹細胞治療の注意点とリスク

幹細胞治療のリスクをまとめました。

  • 患者自身の再生力を利用した治療法なので、効果の程度や期間には個人差があります
  • 自由診療のため保険が適応されません
  • がん治療中の方や、がん治療後間もない方、妊娠中、妊娠の可能性がある方は点滴を受けることができません

┃4.当院の脂肪由来幹細胞治療

当院で行っている幹細胞治療の流れを紹介します。幹細胞治療を行う際には、主に下記のような流れで治療を進めていきます。

<①カウンセリング>

事前に服薬情報やMRI画像などをご用意していただいた上で、医師がカウンセリングを行います。体調や既往歴、服薬中の薬、リハビリ状況などを伺います。

<②検査>

感染症の有無を調べるための血液検査や、胸部のレントゲン検査、心電図検査などを行います。

<③脂肪採取>

腹部からごく少量の脂肪を採取します。入院などは不要な場合がほとんどです。

<④幹細胞の培養>

採取した脂肪細胞をCPCに送り、脂肪細胞から幹細胞を分離、培養します。培養には約3週間~6週間を要します。

<⑤幹細胞の静脈内投与、局所投与>

培養した幹細胞を点滴、局所に投与します。投与方法は対応する疾患やお悩み、患者さんの身体の状況などに応じて臨機応変に対応します。

<⑥経過観察>

その後の効果について定期的に経過観察を行います。

<費用>

項目 費用
医師による診察・カウンセリング 11,000円
感染症検査(採血) 11,000円
幹細胞点滴(1億個) 1,650,000円

┃5.まとめ

幹細胞治療にも様々な種類のものがあります。患者さんの身体の状態や、疾患などでも効果的なもの、適切なものが異なることがあるので、もしも気になったらまずは専門の医師に相談してみることをおすすめします。

幹細胞治療

┃YouTubeでも医療知識を紹介しています

今回の内容はYouTubeでも田中院長がお話ししています。そのほかにも様々ありますので、ぜひご覧ください。



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