脊柱管狭窄症の手術を検討するのは、保存療法で十分な改善が得られない場合や、排尿障害などの神経症状がみられる場合などです。一般的には入院して手術を行い、入院中から退院後にかけてリハビリを続けていきます。

しかし、近年では入院や術後の定期的な通院が不要な日帰り手術も登場するなど、選択肢が広がってきています。そこで今回は、脊柱管狭窄症手術後のリハビリ内容と、日帰り手術の選択肢について解説します。

┃1.脊柱管狭窄症手術の種類と入院期間

脊柱管狭窄症の手術は、大きく分けて「除圧術」と「除圧固定術」の2種類です。

背骨のぐらつき（不安定性）が小さい場合には除圧術、不安定性が強い場合には除圧固定術を選択するのが一般的です。除圧固定術を行うと背骨のぐらつきは抑えられますが、腰の動きに制限がかかる、手術による体への負担が大きく入院期間が長くなるといった注意点もあります。

近年では、内視鏡を用いて小さな傷から行う低侵襲手術も普及してきています。代表的なものに、MEL（内視鏡下椎弓切除術）やPEL（経皮的内視鏡下椎弓切除術）があります。

入院期間の目安は、それぞれ以下のとおりです。

脊柱管狭窄症手術の種類について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

＞＞脊柱管狭窄症の手術の種類は？選び方や体の負担が少ない低侵襲手術も紹介

┃2.脊柱管狭窄症手術後のリハビリ内容

手術後の安静期間が長くなりすぎると筋力が低下してしまうため、できるだけ早期からリハビリを行います。

入院して手術を行う場合、手術の翌日から歩行を開始するのが一般的です。このとき、腰への負担をできるだけ軽減するため、適切な歩き方も指導します。

そのほか、痛みの程度を確認しながら、下肢を中心とした筋力トレーニング、関節可動域を保つためのストレッチ、日常生活動作の訓練、マッサージなども行います。

┃3.退院後の注意点と職場復帰の目安

退院後も、一定期間は定期的に通院しながらのリハビリを継続する必要があります。日常生活の中には、腰に大きな負担がかかりやすい動作が多く含まれているため、リハビリを行いながら適切な体の動かし方を身につけるのが重要です。

たとえば、ベッドから起き上がるときや立ち上がるとき、体の向きを変えるときなど、腰を強くひねらないように動く必要があります。こうした負担の少ない動作を身につけていくのも、リハビリの目的の一つです。

仕事に復帰できる時期は、仕事内容によって異なります。デスクワークであれば1ヶ月以内に復帰できる場合もありますが、立ち仕事や力仕事の場合、2ヶ月以上の休養が必要になることも少なくありません。

┃4.術後の通院不要・早期の職場復帰も可能な日帰り腰痛手術

できるだけ早く仕事・生活に復帰したい場合や、術後に通院するための時間が取れない場合などは、日帰り手術を検討するのもよいでしょう。

脊柱管狭窄症の日帰り手術であるPELは、1週間後、1ヶ月後などの経過観察はありますが、入院やリハビリのための頻繁な通院は不要。デスクワークなどのあまり体を動かさない仕事なら、翌日から復帰できる場合もあります。

＞＞PELについて詳しくはこちら

┃5.まとめ

脊柱管狭窄症手術後のリハビリでは、歩行や動作の訓練、筋力トレーニング、ストレッチなどを行います。入院・リハビリの期間は手術法によって異なりますが、職場復帰に1ヶ月以上かかる場合もあります。

入院や通院の負担を抑えたい方は、日帰り手術を検討してみるとよいでしょう。当院では、患者さんのご希望に応じた治療法を提案いたしますので、ぜひご相談ください。

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