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2025.12.10

「腰にいい姿勢ってなんですか?」腰の負担を数値化して徹底解説

腰痛と姿勢の関係は大きく関係しています。腰に負担がかかる姿勢を継続的にやっていると、今は大丈夫でも症状の進行を早めて重症化してしまう危険もあります。ここでは、よく質問いただく「腰にいい姿勢って何?」という疑問にお答えしていきます。

<コラム監修者>

田中聡院長

田中聡(たなか さとし)

表参道総合医療クリニック院長


大阪医科大学医学部卒業。救急車搬送が日本で一番多い「湘南鎌倉総合病院」や「NTT東日本関東病院」にて脳神経外科医として脊椎・脊髄疾患、脳疾患、がん患者の治療に従事。その後、稲波脊椎関節病院で脊椎内視鏡、森山記念病院で脳・下垂体の内視鏡の経験。様々な患者様を診療するようになりました。しかし、脳出血や脳梗塞の方は、手術をしても脳機能自体は回復しないため、麻痺は改善しません。また腰痛が改善しなかったり、手術後も痛みやしびれが残る後遺症に悩まされている患者様を見てきて、「現代の医療では解決できない問題を治療したい」と表参道総合医療クリニックを開院しました。開院後、多数の腰痛日帰り手術や、再生医療などを行い、多方面から高い評価をいただいています。

┃1.「腰にいい姿勢」の基準とは?

「腰にいい姿勢」は何を指すのかというと、腰に負荷が少ない姿勢のことを指します。腰の負担は、背骨の骨を連結させている椎間板という部分にどれだけ圧がかかっているのかを指標に判断します。

<椎間板とは>

椎間板とは、背骨の骨と骨の間にある軟骨。背骨のつなぎ目として、背骨全体の動きを出す働きや、クッション的に衝撃を吸収する役割を果たしています。また人間が荷物を持ち上げたり、身体を支える力の80%を担っているとされています。

今回は様々な姿勢の中でも「立っている状態」「座っている状態」「仰向けに寝ている状態」「前傾姿勢で荷物を持ち上げた状態」の4つの姿勢をピックアップ。「立っている状態」の腰への負担(椎間板への圧)を100%として、負担が少ない順番に並べました。

【①仰向けに寝ている状態】

立っている状態の4分の1程度の負荷になります。これは身体の重みが背中全体に分散されるので、特定の部位に負担がかかりにくくなるから。身体全体が均等に支えられるので一番リラックスできる寝姿勢でもあります。また血流がよくなりやすいので、筋肉のこわばりや疲れも解消しやすくなると言われています。

【②立っている状態】

立っている状態も腰に負担がかかっていますが、座っているときよりも負担は少ないです。ただし、長時間立ったままの姿勢が続くと重たい上半身を下半身のみで支えなければいけないので、腰への負担は大きくなります。

【③座っている状態】

座っているときの腰への負担は立っているときよりも大きく、椎間板への負荷は立っているときの1.4倍だとされています。特に猫背や前かがみの姿勢だと、腰の筋肉や靭帯にかかるストレスが増大します。

【④座ったまま前傾姿勢で荷物を持ち上げた状態】

前傾姿勢自体が負担がかかりやすい姿勢です。骨盤が前に傾くので脊椎や椎間板に異常な圧力がかかるほか、腰の筋肉や筋膜が過剰に伸ばされてしまいます。下肢の筋肉にも負担がかかるので、ぎっくり腰になってしまうこともあります。椎間板には立っているときの3倍の負荷がかかります。

┃2.椎間板ヘルニアになりやすい職業

椎間板ヘルニアは長時間の立ち仕事の人や、重いものを持ったり抱えたりする仕事の人がなりやすいとされています。また長時間座って仕事をするデスクワーカーも少なくありません。

<椎間板ヘルニア患者の多い職業>

  • 介護士
  • 重労働者(建築、土木など)
  • 客業
  • デスクワーカー(事務など)

その中でも多いのが介護士です。介護をする際、車椅子から移動させたり、ベッドから起こしたりするときに、どうしても前傾姿勢で作業することが増えてしまいます。数ある姿勢の中でも、一番負担のかかる状態で重いものを持ち上げなければいけないので、椎間板ヘルニアになりやすいと考えられるのです。

腰に少しでも負担を与えないために、何か持ち上げるときは左右の重さが均等になるようにしましょう。また持ち上げる際には腰をおろして、被介護者などに身体を近づけてから全身の力を使ってゆっくりと真上に持ち上げるようにしましょう。

┃3.もしも痛みが起きたらどうすればいいの?

もしも痛みが起きた場合、まずは安静にすることが大切です。それでも痛い場合は、整形外科や専門医に診てもらうことをおすすめします。重症化した場合は、経過観察したのちに必要であれば手術をする必要があります。日帰りで行うことができる手術もあるので、日常生活に負担なく行うことができます。

<PLDD法(経皮的レーザー椎間板減圧術)>

PLDD

レーザーを椎間板内の髄核に照射して縮小させ、神経の圧迫を軽減する治療法です。1ヶ所あたり15〜30分程度と短時間で完了し、日帰りが可能。1mm程度の穴から治療できるため、術後の出血や痛みも抑えられます。

【主な対象疾患】
椎間板ヘルニア、坐骨神経痛など

【費用】
初回1ヶ所 825,000円(税込)
2ヶ所目以降(椎間加算) 275,000円(税込)

【副作用・リスク】
今まではなかった腰痛、しびれ、筋肉の張り、感染など

>>PLDD法の詳細はこちら

<PDR法(経皮的椎間板再生治療)>

PDR法(経皮的椎間板修復治療)

患者さんの血液から抽出した成長因子と幹細胞上清液を椎間板に注入し、変性した組織の修復を促進します。注入は穿刺針で行うため、メスでの切開は不要。1ヶ所あたり20〜30分程度で治療が完了し、その日のうちにお帰りいただけます。

【主な対象疾患】
椎間板ヘルニア、椎間板変性症、脊柱管狭窄症、腰椎すべり症、腰椎分離症など

【費用】
1ヶ所 1,100,000円(税込)
2ヶ所 1,210,000円(税込)
3ヶ所 1,320,000円(税込)
4ヶ所 1,430,000円(税込)

【副作用・リスク】
内出血、腫れ、発赤、疼痛、かゆみ、変色、圧痛、筋肉痛、腰の違和感など

>>PDR法の詳細はこちら

<PEL法(脊柱管狭窄症内視鏡下手術)>

PEL(脊柱管狭窄症内視鏡下手術)

7〜8mmの小さな切開で行う手術です。局所麻酔で神経の圧迫を取り除けるため、日帰りが可能。早期に社会復帰したい方や、持病や年齢により全身麻酔下の手術が受けられない方にとって、特に利点の大きい手術です。

【主な対象疾患】
椎間板ヘルニア、坐骨神経痛など

【費用】
1ヶ所 1,540,000円(税込)

【副作用・リスク】
術後血腫、感染、神経損傷など

>>PEL法の詳細はこちら

<PED法(経皮的内視鏡下椎間板摘出術)>

PED/>

内視鏡を使用して椎間板を摘出する手術です。細い内視鏡を使って手術を行うため切開幅は約7mmと体への負担を抑えられ、日帰りが可能。PLDD法(レーザー治療)の適応は主に軽度〜中等度の椎間板ヘルニアですが、PED法では重症例にも効果が期待できます。

【主な対象疾患】
椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症など

【費用】
1カ所 1,540,000円(税込)

【副作用・リスク】
術後血腫、感染、神経損傷など

>>PED法の詳細はこちら

┃4.まとめ

腰に負担のかかる姿勢はたくさんありますが、どの姿勢でどのように気を付けるか考えて意識的に行動するのは大切です。日常生活の中で負荷のかからない姿勢を心がけることで、いずれか自然とその動作ができるようになるはず。健康に生きるためにも試してみてはいかがでしょうか。

腰椎椎間板ヘルニア

┃YouTubeでも医療知識を紹介しています

今回の内容はYouTubeでも田中院長がお話ししています。そのほかにも様々ありますので、ぜひご覧ください。



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