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2025.11.19

椎間板ヘルニアの手術にはどんな種類がある?入院期間を抑える方法も解説

椎間板ヘルニア手術の種類

椎間板ヘルニアは、飛び出した椎間板が神経を圧迫し、腰痛や、お尻から足にかけての痛み・しびれなどを引き起こす疾患です。

一般的にはまず薬物療法やリハビリといった保存療法を行い、こうした治療を続けても症状が改善しない場合や、排尿・排便障害などの神経症状がある場合は手術を検討します。椎間板ヘルニアの手術にはさまざまな種類があるため、症状や重症度、生活スタイルなどの要素を踏まえて適切な方法を選ぶのが重要です。

そこで今回は、椎間板ヘルニアの手術の主な種類や、入院期間と体への負担が抑えられる日帰り低侵襲手術の選択肢について解説します。

<コラム監修者>

田中聡院長

田中聡(たなか さとし)

表参道総合医療クリニック院長


大阪医科大学医学部卒業。救急車搬送が日本で一番多い「湘南鎌倉総合病院」や「NTT東日本関東病院」にて脳神経外科医として脊椎・脊髄疾患、脳疾患、がん患者の治療に従事。その後、稲波脊椎関節病院で脊椎内視鏡、森山記念病院で脳・下垂体の内視鏡の経験。様々な患者様を診療するようになりました。しかし、脳出血や脳梗塞の方は、手術をしても脳機能自体は回復しないため、麻痺は改善しません。また腰痛が改善しなかったり、手術後も痛みやしびれが残る後遺症に悩まされている患者様を見てきて、「現代の医療では解決できない問題を治療したい」と表参道総合医療クリニックを開院しました。開院後、多数の腰痛日帰り手術や、再生医療などを行い、多方面から高い評価をいただいています。

┃1.椎間板ヘルニアの手術の種類

従来はLOVE法などの切開を伴う手術が主流でしたが、現在では内視鏡を使用する低侵襲手術が一般的になってきています。手術の主な種類と特徴は以下のとおりです。

方法 麻酔 入院期間 保険適用
LOVE法 5cm程度切開して直視下でヘルニアを摘出 全身麻酔 2週間程度 保険適用
MED 背中を2~3cmほど切開し、内視鏡下でヘルニアを摘出 全身麻酔 数日〜1週間程度 保険適用
PED 背中を6mm程度切開し、内視鏡下でヘルニアを摘出 局所麻酔 日帰り〜数日 保険適用/自由診療
※保険適用の場合はスケジュールや使用設備に制限あり
PLDD 背中に1mm程度の穴を開け、レーザーでヘルニアの縮小を目指す 局所麻酔 日帰り〜数日 自由診療
PDR 椎間板にPRPと幹細胞上清液を注入して修復を促す 局所麻酔 日帰り 自由診療
ディスクフロー治療 血液から抽出したフィブリンで椎間板の亀裂を塞ぐ 局所麻酔 日帰り 自由診療

<LOVE法>

背中を5cmほど切開して筋肉を剥がし、椎間板を露出させて肉眼で確認しながらヘルニアを摘出する方法です。

手術部位を直接目で見られるため確実性が高い反面、入院期間は一般的に2週間前後と長めです。体への負担も大きく、仕事や日常生活への復帰までに時間がかかりがちです。

<MED(内視鏡下椎間板摘出術)>

背中を2~3cm程度切開して内視鏡を挿入し、ヘルニアを摘出する方法です。

皮膚、筋肉、骨などを切る量が抑えられ、体への負担が軽減できます。また、感染や神経損傷といった合併症のリスクも抑えられます。

ただし、LOVE法よりも手術の難易度が高くなります。全身麻酔を使用するため、数日〜1週間程度の入院が必要です。

<PED(経皮的内視鏡下椎間板摘出術)>

背中を6mmほど切開し、内視鏡でヘルニアを摘出します。

MEDと大きく異なるのは、局所麻酔で行える点です。全身麻酔を使用しないため日帰りも可能で、全身の病気や年齢などで手術を諦めていた方にも適応できる可能性があります。

ただし、保険適用で行う場合は検査のスケジュールや使用器具などに制限があり、数日程度の入院が必要な場合もあります。

<PLDD(経皮的レーザー椎間板減圧術)>

背中に1mmほどの小さな穴を開けてレーザーファイバーが通った針を刺し、椎間板にレーザーを照射する治療法です。椎間板の一部を蒸発させることで内部の圧力が下がり、徐々にヘルニアが吸収されていきます。

MEDやPEDよりもさらに体への負担が抑えられますが、症状が改善するまでに数週間から数ヶ月かかることもあります。また、重度の椎間板ヘルニアなど、適さないケースもあります。

<PDR(経皮的椎間板再生治療)>

椎間板ヘルニアに対する再生医療の一つです。患者さん自身の血液から抽出した「多血小板血漿(PRP)」と、幹細胞を培養した溶液の上澄みである「幹細胞上清液」を椎間板に注入します。

できるだけ切らない治療を希望する方や、手術後の回復をより早めたい方にも適している治療法です。

<ディスクフロー治療>

血液から生成したフィブリンを椎間板に注入し、亀裂を修復する治療法です。フィブリンは傷を塞ぐ「のり」の役割を果たし、炎症を抑える成分も含んでいます。

当院では患者さん自身の血液から生成する「自己フィブリン」を使用するため、アレルギーのリスクも抑えられます。

┃2.椎間板ヘルニアの手術はどのように選ぶ?

椎間板ヘルニアの手術を検討する際は、まずMRIなどの精密検査で症状が起きている原因やヘルニアの重症度を把握することが重要です。その上で、生活スタイルや仕事の事情などを考慮し、ご自身に適した手術を選ぶとよいでしょう。

たとえば「できるだけ入院したくない」「術後の痛みが気になる」といった場合は、PED、PLDD、ディスクフロー治療などの日帰り低侵襲手術が向いています。より早期の回復を目指すなら、PDRなどの再生医療を組み合わせるのもよいでしょう。

一方で、費用面を重視する場合は保険適用の手術を選択するのも一つの方法です。

┃3.当院の椎間板ヘルニア手術の特徴

当院では、体への負担を最小限に抑えた日帰りの椎間板ヘルニア手術を行っています。

日帰り手術と再生医療を組み合わせ、より早期の症状改善を目指すことも可能。患者さん一人ひとりの状態に合わせて、適切な治療法を提案いたします。

それぞれの治療法についての詳しい内容は、以下のリンクからご覧ください。

>>PED

>>PLDD

>>PDR

>>ディスクフロー治療

※すべて自由診療です

┃4.まとめ

椎間板ヘルニアの手術にはさまざまな種類があり、それぞれメリットや注意点があります。精密検査を受けた上で、生活スタイルに応じた適切な方法を選ぶとよいでしょう。

当院では、日帰り低侵襲手術と再生医療を組み合わせた椎間板ヘルニア手術を行っています。症状にお悩みの方は、ぜひご相談ください。

┃YouTubeでも医療知識を紹介しています

今回の内容はYouTubeでも田中院長がお話ししています。そのほかにも様々ありますので、ぜひご覧ください。

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