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2025.10.28

歩くと腰が痛い場合は脊椎疾患の可能性も?痛みが出にくい歩き方や日帰り手術の選択肢を解説


歩くと腰が痛い

「歩いていると腰が痛くなる」「腰痛や下肢痛で休憩を挟まないと歩けない」といったお悩みはありませんか?

このような症状の原因には、筋肉の損傷や疲労のほか、背骨(脊椎)の病気も考えられます。今回は、歩くと腰が痛いときに考えられる原因や痛みをやわらげる歩き方の工夫について解説します。

<コラム監修者>

田中聡院長

田中聡(たなか さとし)

表参道総合医療クリニック院長


大阪医科大学医学部卒業。救急車搬送が日本で一番多い「湘南鎌倉総合病院」や「NTT東日本関東病院」にて脳神経外科医として脊椎・脊髄疾患、脳疾患、がん患者の治療に従事。その後、稲波脊椎関節病院で脊椎内視鏡、森山記念病院で脳・下垂体の内視鏡の経験。様々な患者様を診療するようになりました。しかし、脳出血や脳梗塞の方は、手術をしても脳機能自体は回復しないため、麻痺は改善しません。また腰痛が改善しなかったり、手術後も痛みやしびれが残る後遺症に悩まされている患者様を見てきて、「現代の医療では解決できない問題を治療したい」と表参道総合医療クリニックを開院しました。開院後、多数の腰痛日帰り手術や、再生医療などを行い、多方面から高い評価をいただいています。

┃1.歩くと腰が痛い場合に考えられる原因

歩行中に腰の痛みが出る場合の主な原因には、筋肉の損傷・疲労や背骨の病気が考えられます。

<筋肉の損傷や疲労>

激しい運動で筋肉が傷ついたり、仕事や日常生活などで腰の筋肉に疲労がたまったりすると、腰痛が出やすくなります。力仕事の人や同じ姿勢を長く続ける人のほか、通勤・外回りなどでよく歩く人も筋肉がこわばりやすい傾向があります。

このタイプの腰痛で、しびれが出るケースはほとんどありません。

<背骨の病気>

何らかの原因で背骨の中を通る神経が圧迫されたり、骨が潰れたりすると、腰痛や下肢の痛みが現れる場合があります。歩くと腰が痛む場合に考えられる脊椎疾患の例を紹介します。

【脊柱管狭窄症】

背骨の中を通る神経が厚くなった靭帯などで圧迫され、腰や下肢の痛み・しびれを引き起こす病気です。しばらく歩くと痛みやしびれが出て、少し休むと和らぐ「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」が特徴的な症状です。前かがみの姿勢を取ると症状が軽くなる傾向があるため、カートを押すと楽に歩ける場合もあります。

脊柱管狭窄症が進行すると、歩き始めてすぐに症状が出たり、休んでもなかなかおさまらなかったりと症状が悪化するおそれも。排尿障害や足の脱力感など、神経症状を伴うケースもあります。

【すべり症】

背骨を構成する椎骨が前後にずれ、神経を圧迫する病気です。

年齢に伴う背骨の変性によって生じる「変性すべり症」と、スポーツなどによる疲労骨折で椎骨の一部が分離してずれる「分離すべり症」があります。

症状は脊柱管狭窄症と似ており、腰や足の痛み、しびれ、間欠性跛行などが見られます。重度のすべり症の場合、腰が不安定になる場合もあります。

【圧迫骨折】

背骨への負荷や衝撃によって、椎骨が潰れて起こる骨折です。多くの場合、骨粗鬆症によって骨がもろくなっている人に生じます。

歩行時の転倒や尻もちのほか、つまずいたとき、くしゃみや咳をしたときなど、些細な衝撃でも圧迫骨折を起こすケースがあるため、注意が必要です。気づかないうちに圧迫骨折を起こして腰痛が起こり、レントゲン検査で圧迫骨折が分かる場合もあります。

┃2.腰痛が出やすい歩き方と対処法

歩き方が原因で腰痛が強くなる場合もあります。修正したほうがよい歩き方と、その対処法を解説しますので、参考にしてみてください。

<不適切な姿勢で歩いている>

猫背や反り腰の姿勢で歩くと、腰への負担が大きくなります。ガニ股歩きも腰や背中を痛めやすく、さらに膝の痛みの原因になる場合もあります。

【対処法】

背骨が自然なS字カーブを描くのが適切な姿勢です。耳・肩・脚の付け根・膝が一直線に並ぶように意識すると、適切な姿勢を取りやすくなります。

適切な姿勢を保つには、腹筋・背筋が重要。体幹の筋力が低下すると姿勢を保ちにくくなるため、適度なトレーニングも取り入れてみましょう。

<つま先から地面についている>

歩くとき、前に出した足がつま先や足の前の方から地面についている場合、着地の衝撃が大きくなりがちです。一歩ごとに腰へ負担がかかり、ぎっくり腰になるリスクも上がるため、適切な着地と体重移動を意識しましょう。

【対処法】

かかとから着地し、最後につま先で地面を蹴るのが適切な歩き方です。腰の痛みが強いときは、足の裏全体でやさしく着地し、歩幅をやや狭めると負担が和らぎます。

<腰に負担がかかりやすい靴を履いている>

サンダルやヒールの高い靴で歩くと不適切な歩き方になりやすく、腰痛につながる場合もあります。靴のかかとを踏んだまま歩くのも避けたほうがよいでしょう。靴のソールや適度な重さも重要です。

【対処法】

ソールが硬すぎず柔らかすぎず、クッション性がある靴を選びましょう。ヒールは3cm程度までが望ましいとされています。

┃3.歩行時の腰痛が続く場合はどうしたらよい?

歩いていると腰が痛くなる症状が続く場合、脊柱管狭窄症やすべり症といった脊椎疾患の疑いもあります。

神経がどの程度圧迫されているか確認するためには、レントゲン検査だけでなくMRI検査も必要です。腰痛に詳しい医師がいる整形外科を受診して検査を受けるとよいでしょう。

治療法には薬物療法、リハビリテーション、手術などの選択肢があり、症状と検査結果に応じて検討します。一般的に、手術を行うのは症状が長引く場合や悪化している場合、生活に支障がある場合、神経症状が出ている場合などです。

┃4.当院の日帰り腰痛手術×再生医療

当院では、入院が不要な日帰り手術と再生医療を組み合わせた腰痛治療を行っています。手術による傷が小さいため体への負担を抑えられ、再生医療によりさらに回復のスピードを早める作用が期待できます。

<PEL法(脊柱管狭窄症内視鏡下手術)>

PEL(脊柱管狭窄症内視鏡下手術)

7〜8mmの小さな切開で行う手術です。局所麻酔で神経の圧迫を取り除けるため、日帰りが可能。早期に社会復帰したい方や、持病や年齢により全身麻酔下の手術が受けられない方にとって、特に利点の大きい手術です。

【費用】

1ヶ所 1,540,000円(税込)

【副作用・リスク】
術後血腫、感染、神経損傷など

>>PELの詳細はこちら

<PRP療法(多血小板血漿療法)>

PRP療法は、患者さんの血液から血小板を抽出・濃縮し、患部に注射する治療法です。血小板にはさまざまな成長因子が含まれており、組織の修復を促す効果が期待できます。単独で行うほか、PELと組み合わせることで傷ついた神経の修復を助け、より早期の症状改善を見込めます。

【費用】
1ヶ所550,000円

【副作用・リスク】
注射部位の一時的な腫れや痛み、感染など

>>PRP療法について詳しくはこちら

<SAST法(脊椎幹細胞移植術)>

SAST(脊椎幹細胞移植)

患者さんの脂肪から幹細胞を取り出して培養し、椎間板や腰椎などに移植する治療法です。幹細胞には傷ついた組織を再生する働きがあるため、症状の改善が見込めます。PRP療法と同様、PELとの組み合わせも可能です。

【費用】
1回165万円

【副作用・リスク】
注射部位の一時的な腫れや痛み、感染など

>>SAST法の詳細はこちら

┃5.まとめ

歩くと腰が痛い場合、脊柱管狭窄症やすべり症などの脊椎疾患が関係しているケースもあります。これらの病気を放置すると進行して症状が重くなる場合もあるため、適切な検査と治療を受けましょう。

当院では、体への負担を抑えた日帰り手術と再生医療を組み合わせ、患者さんのニーズに合わせた治療をご提案します。歩行時の腰痛でお困りの方は、ぜひご相談ください。

┃YouTubeでも医療知識を紹介しています

今回の内容はYouTubeでも田中院長がお話ししています。そのほかにも様々ありますので、ぜひご覧ください。



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