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2025.09.02

変形性膝関節症を放っておくとどうなる?手術を避ける再生医療の選択肢も解説

変形性膝関節症 放っておくとどうなる

変形性膝関節症は、膝関節の軟骨がすり減って痛みが出る病気です。「放っておくとどうなるのか」「手術を避けるにはどうしたらよいのか」と、不安に思う方もいるでしょう。そこで今回は、症状の進行過程や悪化を防ぐための工夫、さらに当院で行う再生医療についても解説します。

<コラム監修者>

田中聡院長

田中聡(たなか さとし)

表参道総合医療クリニック院長


大阪医科大学医学部卒業。救急車搬送が日本で一番多い「湘南鎌倉総合病院」や「NTT東日本関東病院」にて脳神経外科医として脊椎・脊髄疾患、脳疾患、がん患者の治療に従事。その後、稲波脊椎関節病院で脊椎内視鏡、森山記念病院で脳・下垂体の内視鏡の経験。様々な患者様を診療するようになりました。しかし、脳出血や脳梗塞の方は、手術をしても脳機能自体は回復しないため、麻痺は改善しません。また腰痛が改善しなかったり、手術後も痛みやしびれが残る後遺症に悩まされている患者様を見てきて、「現代の医療では解決できない問題を治療したい」と表参道総合医療クリニックを開院しました。開院後、多数の腰痛日帰り手術や、再生医療などを行い、多方面から高い評価をいただいています。

┃1.変形性膝関節症の初期症状

変形性膝関節症の図

変形性膝関節症は、徐々に進行していく病気です。初期のうちは症状が軽いため、見逃されることが少なくありません。

初期によくみられるのは、以下のような症状です。

  • 立ち上がるときに膝に違和感がある
  • 起床した直後に膝がこわばる
  • 歩き始めに動かしにくさを感じる
  • 階段の昇り降りで膝が痛む など

この段階では症状が強くないため見逃してしまい、悪化するケースも珍しくありません。

┃2.変形性膝関節症を放っておくリスク

変形性膝関節症は自然に治る病気ではなく、放置すると悪化していきます。進行度に応じて症状が強くなっていくため、早めの対応が大切です。

<中等度の変形性膝関節症で見られる症状>

歩き始めや階段の昇り降りだけでなく、歩いている間も痛みを感じるようになります。特に、重い荷物を持ったときには痛みが増加します。

膝の曲げ伸ばしがしづらくなり、まっすぐ伸ばせなかったり正座ができなくなったりすることも。膝に水が溜まって腫れる、O脚やX脚になるといった変形が始まるのも特徴です。

<重度の変形性膝関節症で見られる症状>

重度になると軟骨がほとんどなくなり、骨同士が直接ぶつかるため強い痛みが生じます。自力で歩けないほどの痛みが出る、動かさなくても痛むなど、生活への影響が大きくなることも。膝関節だけでなく脚全体の骨や関節が変形し、O脚やX脚がさらに悪化します。

<ロコモティブシンドロームや認知機能低下にも注意>

「ロコモティブシンドローム(運動器症候群)」とは、骨、関節、筋肉といった運動器が衰えて身体能力が低下し、ほとんど外出しなくなったり寝たきりになったりする状態です。

膝の痛みによって活動量が減り、筋力が衰えてますます痛みが強くなる悪循環に陥ると、ロコモティブシンドロームのリスクが高まります。外出の頻度が減ると認知機能に影響が出る場合もあり、認知症の発症にもつながりかねません。

┃3.変形性膝関節症の悪化を防ぐポイント

すり減った軟骨は自然に再生しません。変形性膝関節症の悪化を防ぐため、以下のようなポイントに注意しましょう。

<正しい姿勢で歩く>

視線をまっすぐ前に向け、背筋を伸ばして歩くのが正しい姿勢です。足を出すときに膝を伸ばすと、膝を曲げたまま前に出すよりも負担を和らげられます。痛みが強くならない範囲で、歩幅を広めに取る、腕を軽く振るなどの工夫をして運動量を上げるのもよいでしょう。

<適度な運動をする>

足の筋肉をつけると関節への負担を緩和できます。有酸素運動、筋力トレーニング、ストレッチなどを行うとよいでしょう。特に、水中ウォーキングは膝への負担を抑えられる運動です。ただし、運動は痛みが悪化しない範囲で行い、ランニングやジャンプ、急な方向転換を伴うスポーツなど、膝への負担がかかりやすい運動は控えましょう。

<適正体重を保つ>

体重が重いほど、膝への負担が大きくなります。食事の調整や適度な運動で、適正体重をめざしましょう。ただし、極端な食事制限は筋力低下につながり、健康を損なう原因になることも。バランスよく適量を食べ、健康的な体重を維持するのが大切です。

<膝に負担がかかりにくい生活を心がける>

深くしゃがむ、正座をするなど、膝を大きく曲げる動作は関節に負担をかけやすいため、避けましょう。座布団ではなく椅子に座る、できるだけ和式トイレではなく洋式トイレを使うといった、日常的な工夫も効果的です。立ち上がる動作や階段の昇り降りも膝への負担になるため、ゆっくり動いたり手すりを使ったりするなどの工夫を取り入れましょう。

┃4.変形性膝関節症の一般的な治療法

まず手術以外の治療法(保存療法)を行い、治療効果や症状の強さに応じて手術を検討するのが一般的です。

<保存療法>

軽度から中等度の場合、まずは薬物療法やリハビリテーション、装具療法などの保存療法を行います。痛み止めやヒアルロン酸注射で症状を抑えつつ、筋力トレーニングや生活習慣の改善によって進行の抑制を目指します。

<手術>

手術には、主に関節鏡手術、骨切り術、人工膝関節置換術の3種類があり、それぞれ適応や期待できる効果、入院期間が異なります。関節鏡手術は関節内部の傷んだ組織を取り除く手術で、効果は一時的に症状を抑えるのみにとどまります。骨切り術や人工膝関節置換術を行えば膝の変形や痛みの改善が期待できますが、長期の入院やリハビリが必要です。

┃5.再生医療を活用した当院の変形性膝関節症治療

従来、すり減った軟骨の再生は困難とされていましたが、近年では再生医療によって軟骨を修復できる可能性が広がっています。当院では、再生医療である「幹細胞治療」と「PRP療法」による変形性膝関節症治療を提供しています。膝の痛みを軽減したい方や、手術を避けたい方は、ぜひご相談ください。

<幹細胞治療>

患者さま自身の脂肪から採取した幹細胞を培養し、膝関節に注入する方法です。幹細胞にはさまざまな細胞に分化する力があるため、傷ついた軟骨を修復して炎症を抑える働きが期待できるのです。

  • 副作用:脂肪採取部位・注射部位の腫れや痛み、感染
  • 料金:片側1部位:1部位(片側)1,650,000円、2部位(両側)2,200,000円(税込)

>>幹細胞治療について詳しくはこちら

<PRP療法>

患者さまの血液を採取して血小板の濃度を高めた「PRP」を膝に注入する治療法です。血小板には損傷した組織に周囲の幹細胞を呼び寄せて修復を促す性質があるため、症状の改善が見込めます。

  • 副作用:副作用注射部位の一時的な腫れや痛み、感染など
  • 料金:シングル膝(2V)330,000円、ダブル膝(4V)550,000円(税込)

>>PRP療法について詳しくはこちら

┃6.まとめ

変形性膝関節症を放っておくと、徐々に悪化していき歩行が困難になることも。しかし、生活習慣の工夫や適切な治療によって痛みを和らげ、進行の抑制も目指せます。当院では再生医療を活用した変形性膝関節症治療を行っておりますので、手術以外の選択肢を希望される方もぜひご相談ください。

┃YouTubeでも医療知識を紹介しています

今回の内容はYouTubeでも田中院長がお話ししています。そのほかにも様々ありますので、ぜひご覧ください。



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