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2025.08.16

変形性股関節症を手術しないで治す方法はある?再生医療による新しい治療法を解説

変形性股関節症 手術しないで治す

変形性股関節症は、股関節の軟骨がすり減って痛みが出る病気です。手術しないで治す方法を探しているなら、保存療法のほかに再生医療という選択肢も。今回は、薬物療法や運動療法などの一般的な治療法に加え、PRP療法や幹細胞治療といった再生医療についても解説します。

<コラム監修者>

田中聡院長

田中聡(たなか さとし)

表参道総合医療クリニック院長


大阪医科大学医学部卒業。救急車搬送が日本で一番多い「湘南鎌倉総合病院」や「NTT東日本関東病院」にて脳神経外科医として脊椎・脊髄疾患、脳疾患、がん患者の治療に従事。その後、稲波脊椎関節病院で脊椎内視鏡、森山記念病院で脳・下垂体の内視鏡の経験。様々な患者様を診療するようになりました。しかし、脳出血や脳梗塞の方は、手術をしても脳機能自体は回復しないため、麻痺は改善しません。また腰痛が改善しなかったり、手術後も痛みやしびれが残る後遺症に悩まされている患者様を見てきて、「現代の医療では解決できない問題を治療したい」と表参道総合医療クリニックを開院しました。開院後、多数の腰痛日帰り手術や、再生医療などを行い、多方面から高い評価をいただいています。

┃1.変形性股関節症の一般的な治療法

変形性股関節症と診断した場合、まずは保存療法と呼ばれる手術以外の治療を行って症状の改善や進行の抑制を目指します。保存療法にはいくつか種類があり、症状や生活環境に合わせて組み合わせることもあります。

<運動療法>

お尻や太ももの筋肉を鍛えると、股関節にかかる体重の負担を分散でき、痛みの軽減につながります。また、ストレッチによって関節の可動域を保つことも重要です。

ただし、運動の負荷が大きすぎると股関節を傷めてしまうため、無理のない範囲で運動しましょう。特におすすめの運動は、関節への負担を抑えて筋肉を鍛えられる水中ウォーキングや水中ストレッチです。医師や理学療法士と相談したうえで、週1回程度から始めるのがよいでしょう。

<生活習慣の改善>

体重が1kg減るだけでも、歩くときに股関節にかかる負担が3〜4kg程度軽くなるとされています。適正体重を超えている場合は、生活習慣を見直して体重管理を行いましょう。食事の量を極端に減らしたり特定の食品ばかり食べたりするのではなく、年齢、性別、身体活動量に応じてバランスよく適切な量を食べることが大切です。

<薬物療法・ブロック注射>

薬物療法では、炎症を抑えて痛みを和らげる消炎鎮痛薬(NSAIDs)などの内服薬を処方するのが一般的です。痛みが強い場合は、股関節の動きを滑らかにするヒアルロン酸注射や、神経の周辺に麻酔薬を注入する神経ブロック注射を行う場合もあります。

┃2.変形性股関節症の手術はどんな場合に検討する?

保存療法を続けても痛みが改善しない場合や、「歩行や立ち上がりに介助がいる」「痛みのために眠れない」など、日常生活に支障がある場合は手術を検討します。

変形性股関節症の手術には、骨切り術と人工股関節置換術があります。年齢が若い場合や軟骨がまだ残っている場合は骨切り術、高齢の場合や変形が進んで軟骨がほとんど残っていない場合は人工股関節置換術を選択することが一般的です。

┃3.再生医療により手術をしないで治せる可能性も

手術は変形性股関節症による痛みを取り、生活の質を維持・向上させる有効な治療法ですが、入院期間の長さや体への負担からためらう場合もあるでしょう。生活スタイルやご自身の希望によって、手術をしない選択肢を取る方も珍しくありません。

そこで近年、再生医療が注目されています。再生医療は、手術をせずに股関節の痛みを改善したい場合や、進行を抑えて手術を回避したい場合の新しい選択肢となる治療法です。従来、すり減った軟骨を再生させることはできないとされていましたが、再生医療を行えば軟骨を修復できる可能性があります。

<再生医療のメリット>

  • 軟骨の修復や炎症の抑制が期待できる
  • 自分自身の血液や細胞を利用するため、拒絶反応のリスクを抑えられる
  • 手術に比べて体への負担が少ない

<再生医療のデメリット>

  • 自由診療なので治療費が高額になりがち
  • 効果には個人差がある
  • 新しい治療法なので、長期的なデータが十分ではない

┃4.当院で行う再生医療の種類と特徴

幹細胞やPRPを注射でピンポイントに注入

当院では、変形性股関節症に対する再生医療として、PRP療法と幹細胞治療の2種類を自由診療でご提供しています。いずれも患者さん自身の血液や細胞を利用するため、副作用のリスクを抑えられる方法です。

さらに、当院では点滴ではなく注射でPRPや幹細胞を直接患部に注入。より効率的に患部へPRPや幹細胞を届けられます。

<PRP療法>

採血を行って血小板の濃度を高めた「多血小板血漿(PRP)」を抽出し、股関節に直接注射する治療です。PRPは傷ついた組織の修復を促す成長因子を豊富に含んでおり、炎症を和らげ、関節内の修復を助ける効果が期待できます。

  • 副作用:副作用注射部位の一時的な腫れや痛み、感染など
  • 料金:シングル股関節(2V)550,000円、ダブル股関節(4V)880,000円(税込)

>>PRP療法について詳しくはこちら

<幹細胞治療>

患者さんの脂肪から幹細胞を取り出し、培養したのち股関節に注入する治療です。幹細胞はさまざまな働きを持つ細胞に分化する力を持っており、患部に注入すると組織の修復や機能の再生が期待できます。

  • 副作用:脂肪採取部位・注射部位の腫れや痛み、感染
  • 料金:片側1部位:1,650,000円(税込)

>>幹細胞治療について詳しくはこちら

┃5.まとめ

変形性股関節症の症状緩和や進行抑制を目指すなら、再生医療が選択肢の一つとなります。関節の修復を目指す選択肢は広がってきていますので、生活スタイルやご自身の希望に応じた治療法を選びましょう。当院では、再生医療を中心に一人ひとりに合わせた変形性股関節症の治療法をご提案します。ぜひご相談ください。

PRP療法

幹細胞治療

┃YouTubeでも医療知識を紹介しています

今回の内容はYouTubeでも田中院長がお話ししています。そのほかにも様々ありますので、ぜひご覧ください。

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