院長ブログ

  • HOME > 
  • 院長ブログ > 
  • 変形性股関節症でやってはいけないことはあ…
2025.08.03

変形性股関節症でやってはいけないことはある?悪化させないための対策や治療法を解説

変形性股関節症 やってはいけないこと

何気ない生活習慣のなかにも、変形性股関節症の悪化リスクを高める「やってはいけないこと」が潜んでいます。そこで今回は、変形性股関節症の悪化を防ぐために避けたほうがよい生活習慣・動作や悪化リスクをできるだけ抑えるためのセルフケア、変形性股関節症の治療法である手術と再生医療について解説します。

<コラム監修者>

田中聡院長

田中聡(たなか さとし)

表参道総合医療クリニック院長


大阪医科大学医学部卒業。救急車搬送が日本で一番多い「湘南鎌倉総合病院」や「NTT東日本関東病院」にて脳神経外科医として脊椎・脊髄疾患、脳疾患、がん患者の治療に従事。その後、稲波脊椎関節病院で脊椎内視鏡、森山記念病院で脳・下垂体の内視鏡の経験。様々な患者様を診療するようになりました。しかし、脳出血や脳梗塞の方は、手術をしても脳機能自体は回復しないため、麻痺は改善しません。また腰痛が改善しなかったり、手術後も痛みやしびれが残る後遺症に悩まされている患者様を見てきて、「現代の医療では解決できない問題を治療したい」と表参道総合医療クリニックを開院しました。開院後、多数の腰痛日帰り手術や、再生医療などを行い、多方面から高い評価をいただいています。

┃1.変形性股関節症でやってはいけないこと

変形性股関節症の進行

変形性股関節症と診断された場合、基本的に痛みが強くなる動作は避けたほうがよいでしょう。痛みを我慢して動き続けると股関節のすり減りが進行し、痛みが強くなったり足の長さに左右差が出たりする場合もあります。特に股関節に負担がかかりやすい動作の例は、以下のとおりです。

<長い間立ちっぱなしを続ける>

長時間同じ姿勢で立ち続けると股関節にかかる負担が大きくなり、症状が悪化しやすくなります。接客業や介護職などの立ち仕事の方は特にリスクが高いため、できるだけこまめに休憩を取って座る時間を設けるとよいでしょう。

<重い荷物を持つ>

重いものを持つ作業をすると、股関節に大きな負担がかかります。運送業や建設業のような力仕事をしている方はリスクが高いため、可能な限り台車などの道具を使ったり、複数人で運んだりするようにしましょう。

<深くしゃがむ>

深くしゃがむ動きは、股関節の負担が大きい動作の一つです。スクワットや重量上げなどの運動のほか、和式トイレの使用や敷布団での就寝も悪化要因になり得ます。

<激しいスポーツをする>

ジャンプやランニング、ゴルフのスイングといった衝撃やねじれを伴うスポーツは、股関節への負担が強く、変形の進行を早める可能性があります。症状がある間は無理に続けず、運動内容を見直しましょう。

<股関節に負担のかかる座り方をする>

正座やあぐらは、股関節に負担をかける座り方です。畳や座布団に座るよりも、椅子に腰掛けたほうが股関節への負担を抑えられます。

┃2.変形性股関節症の進行を防ぐためのセルフケア

変形性股関節症は、日々の過ごし方や適切なセルフケアによって進行を遅らせることが可能です。ただし、トレーニングの強度が高すぎるとかえって悪化してしまうケースもあります。ここではセルフケアのポイントを紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

<適正体重を維持する>

体重が適正値より重いなら、まずは食事を見直しましょう。単に食事の量を減らすのではなく、栄養バランスの整った食事を適量取ることが重要です。

<股関節への負担が軽めの運動を行う>

運動不足になると筋力が低下し、股関節への負担がさらに大きくなります。ただし、激しい運動は股関節に負担をかけ、逆効果になりかねません。おすすめの運動は、股関節への負担を抑えられて全身を動かせる水中ウォーキングです。運動の内容や頻度について医師と相談し、無理のない範囲で行いましょう。

<股関節のストレッチを行う>

関節の柔軟性を保つためには、股関節周りの筋肉をほぐすストレッチが効果的です。体が温まるお風呂の中で、行うのもよいでしょう。ただし、ストレッチ方法が不適切だと股関節を痛めるリスクもあるため、事前に医師や理学療法士に相談しましょう。

<洋式の生活スタイルに変更する>

敷布団や座布団などの和式の生活スタイルは、股関節に大きな負担をかけてしまいます。敷布団はベッドに、座布団は椅子に変更し、トイレもできるだけ洋式を使うようにしましょう。

┃3.進行した変形性股関節症に対する手術の種類

通常の場合、変形性股関節症の治療ではまず手術ではなく、生活指導や運動療法、薬物療法、ヒアルロン酸注射などの保存的な治療で症状を和らげます。しかし、これらの方法でも痛みが改善しない場合や生活への支障が大きい場合、手術を検討します。

手術には骨切り術と人工股関節置換術があり、重症度や年齢、患者さんの希望を踏まえて適した方法を選択します。

<骨切り術>

骨切り術は、関節の変形がそれほど進んでおらず軟骨がある程度残っている方や、若い年齢の方に適した手術です。大腿骨や骨盤の一部を切り、軟骨が残っている部分に体重がかかるよう位置を調整します。

自分自身の関節を温存でき、適切な時期に行えば人工関節を避けられる可能性がある点がメリットです。ただし、入院期間が長くなりがちで、術後も完全には痛みが取れない場合もあります。

<人工股関節置換術>

人工股関節置換術は、関節の変形が進行してほとんど軟骨が残っていない場合に適しており、損傷した股関節を人工関節に置き換える手術です。骨盤側には半球状のカップ、大腿骨側にはボールの付いた棒状のステムという器具を埋め込み、固定します。

術後には痛みが大きく改善され、足の長さの左右差の解消も期待できます。ただし、人工関節には寿命があるため将来的に再手術が必要となる場合もあること、無理な姿勢を取ると人工関節が脱臼するリスクがあることには注意が必要です。

┃4.変形性股関節症に対する再生医療とは

これまでの変形性股関節症の治療は保存療法と手術が中心でしたが、近年では新たな選択肢として再生医療が登場しています。基本的に、すり減った軟骨は自然には再生しませんが、再生医療を活用すれば修復を促せます。また、変形の進行を抑制する効果も期待できるため、手術を避けられる可能性も高まります。

当院では、再生医療のうち「幹細胞治療」または「PRP療法」で変形性股関節症に対する治療を行っております。

<幹細胞治療>

幹細胞治療は、患者さん自身の脂肪から採取した幹細胞を培養し、傷んだ関節に注射する再生医療です。幹細胞には傷ついた組織の修復を促す働きがあるため、軟骨の再生や痛みの軽減が期待できます。

【料金】
片側1部位:1,650,000円(税込)

【リスク・副作用】
患者さん自身の細胞を使用するため、拒絶反応やアレルギーの危険性は抑えられます。ごくまれに、感染が起こるリスクがあります。

>>幹細胞治療について、詳しくはこちら

<PRP療法>

PRP療法は、患者さんの血液を採取して血小板を多く含んだ「PRP(多血小板血漿)」を抽出し、関節に注射する治療法です。PRPに含まれる成分には組織の修復を助ける効果があり、症状の緩和が期待できます。

【料金】
シングル股関節(2V):550,000円、ダブル股関節(4V):880,000円

【リスク・副作用】
患者さん自身の血液を使用するため、拒絶反応やアレルギーの危険性は抑えられます。ごくまれに、感染が起こるリスクがあります。

>>PRP療法について、詳しくはこちら

┃5.まとめ

変形性股関節症と診断されたら、日常生活上の工夫や適度なストレッチ・トレーニングで進行をできるだけ抑えられるようケアしましょう。変形性股関節症の手術をできる限り避けたいなら、再生医療も有効な選択肢です。当院では変形性股関節症に対する再生医療を行っておりますので、ぜひご相談ください。

┃YouTubeでも医療知識を紹介しています

今回の内容はYouTubeでも田中院長がお話ししています。そのほかにも様々ありますので、ぜひご覧ください。

To Top
ご予約・お問合せ 24時間受付WEB予約 日帰り手術・がん治療のご相談