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2025.05.20

【肩腱板損傷】手術はしたくない!そんな方にオススメの「PRP療法・間葉系幹細胞治療」

肩の痛みや可動域の低下に悩んでいませんか?その原因の一つに「腱板断裂」や「腱板損傷」があります。これまで、これらの疾患に対する主な治療は保存療法か手術しかありませんでした。しかし近年、注目を集めているのが当院でも提供している「再生医療」です。

再生医療は、身体の自己治癒力を利用して、損傷した組織を修復する治療法であり、手術を避けたい方や手術を受けられないご高齢の方、回復に時間がかかる方にとって、大きな希望となっています。

本記事では、「腱板断裂」「腱板損傷」に対する再生医療の仕組みや効果、メリット・デメリットについて詳しくご紹介します。

<コラム監修者>

田中聡院長

田中聡(たなか さとし)

表参道総合医療クリニック院長


大阪医科大学医学部卒業。救急車搬送が日本で一番多い「湘南鎌倉総合病院」や「NTT東日本関東病院」にて脳神経外科医として脊椎・脊髄疾患、脳疾患、がん患者の治療に従事。その後、稲波脊椎関節病院で脊椎内視鏡、森山記念病院で脳・下垂体の内視鏡の経験。様々な患者様を診療するようになりました。しかし、脳出血や脳梗塞の方は、手術をしても脳機能自体は回復しないため、麻痺は改善しません。また腰痛が改善しなかったり、手術後も痛みやしびれが残る後遺症に悩まされている患者様を見てきて、「現代の医療では解決できない問題を治療したい」と表参道総合医療クリニックを開院しました。日本脳神経外科学会認定 日本脳神経外科専門医として、現在は多数の腰痛日帰り手術や、再生医療などを行い、多方面から高い評価をいただいています。

┃1.腱板断裂・腱板損傷とは?

肩腱板断裂

腱板とは、肩関節を安定させ、腕をスムーズに動かすための筋肉と腱の集合体(主に棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋)です。これらが部分的または完全に切れてしまうのが「腱板断裂」、または損傷する状態が「腱板損傷」です。

主な原因は加齢による変性、スポーツや重労働による反復動作、外傷などで、40代以降の中高年層に多く見られます。症状は、肩の痛み(特に夜間痛)、動かしにくさ、力が入らないなどです。

 

┃2.保存療法の限界

  • 軽度の腱板損傷であれば、保存療法(安静、リハビリ、鎮痛薬、ヒアルロン酸注射など)で改善することがあります。しかし、中等度〜重度の断裂や慢性的な損傷では、根本的な治療にはならず、結局は手術(腱板修復術)が必要とされるケースも少なくありません。また、手術には入院や術後リハビリの負担、再断裂のリスクなども伴います。そのため、「手術は避けたい」「もっと体に優しい治療法はないのか」と考える方が増えてきました。

┃3.肩腱板損傷に対しての再生医療

  • 当院では肩腱板損傷に対して行う再生医療として、「PRP療法(多血小板血漿療法)」と「幹細胞治療(間葉系幹細胞)」のそれぞれ点滴・注射による2種類の治療法をご提案しております。点滴投与でも効果は期待できますが、患部に直接する注射による治療の方がより大きな効果が期待できます。

 

  • -PRP療法(多血小板血漿療法)

    PRP療法(多血小板血漿療法)とは、患者様自身の血液から血小板を抽出・濃縮し、それを患部に注射します。血小板には成長因子(PDGF、TGF-β、VEGFなど)が豊富に含まれており、肩腱板損傷部位の修復を促進する効果が期待されます。

  • PRP

 

  • -幹細胞治療(間葉系幹細胞)

    幹細胞治療(MSC:間葉系幹細胞) 脂肪から採取した幹細胞を点滴投与・または患部に直接注射することで、組織再生を促します。これにより炎症を抑えたり、断裂部の再生を促したりする働きがあります。

 

  • ┃4.再生医療はどんな人に向いている?

肩腱板損傷に対して行う再生医療は、「手術は避けたいけれど、現状の治療では十分な改善が見られない」という人にとって、非常に有力な選択肢です。特に、腱板断裂・腱板損傷に対する再生医療(PRP療法や幹細胞治療)は、以下のような人にオススメとなっている治療です。

  • <こんな方にお勧め>

    • 中高年層で腱板が加齢によって弱っている人
    • 手術を避けたい人
    • 軽度〜中等度の腱板損傷
    • 保存療法(リハビリや注射)で改善しない人
    • スポーツや仕事で肩を酷使する人
    • 術後の再断裂リスクがある人

┃5.再生医療の注意点

再生医療には、上記でご紹介したように様々なメリットがありますが、注意点やデメリットもあります。

  • <こんな注意点やデメリットも…>

    • 腱板が完全に断裂(重度の症状)しており、腱の収縮や変性が進行している場合
      → 構造的な再建が必要であり、手術のほうが確実

    • 感染性疾患や腫瘍性疾患を抱えている場合
      → 幹細胞やPRPの使用に制限がある場合がある

    • 自由診療のため保険診療に比べ費用が高額
      →治療費は数十万円〜100万円以上になる

このようなこともあるため、専門医による正確な診断(MRI)を受け、十分に相談したうえで治療を受けることが必要不可欠となります。

┃6.次回セミナーご案内・まとめ

当院では、毎月腰痛・膝痛・肩痛・AGA・脊髄損傷など様々な疾患にたいしての正しい治療知識や病気について学べるセミナーを開催しております。
今回解説した肩腱板損傷でお困りの方や、再生医療について詳しく知りたい方は、ぜひご参加ください。

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