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2024.11.15

「再生医療」って何?使用される幹細胞や効果的な疾患を詳しく解説

再生医療

「再生医療」は臓器や関節などの身体の部位が悪くなったとき、細胞や人工的な材料を使って機能障害や機能不全に陥った部位を回復させる治療方法です。

2014年9月には世界で初めてiPS細胞を使った手術が行われ、脳梗塞や心筋梗塞、肝障害、リウマチ、パーキンソン病といったこれまで有効な手立てがなかった疾患も治療ができるようになってきました。ここでは再生医療について詳しく説明します。

<コラム監修者>

田中聡院長

田中聡(たなか さとし)

表参道総合医療クリニック院長


大阪医科大学医学部卒業。救急車搬送が日本で一番多い「湘南鎌倉総合病院」や「NTT東日本関東病院」にて脳神経外科医として脊椎・脊髄疾患、脳疾患、がん患者の治療に従事。その後、稲波脊椎関節病院で脊椎内視鏡、森山記念病院で脳・下垂体の内視鏡の経験。様々な患者様を診療するようになりました。しかし、脳出血や脳梗塞の方は、手術をしても脳機能自体は回復しないため、麻痺は改善しません。また腰痛が改善しなかったり、手術後も痛みやしびれが残る後遺症に悩まされている患者様を見てきて、「現代の医療では解決できない問題を治療したい」と表参道総合医療クリニックを開院しました。開院後、多数の腰痛日帰り手術や、再生医療などを行い、多方面から高い評価をいただいています。

┃1.再生医療とは

再生医療とは、本来人間が持っている「再生する力」を利用した治療方法です。病気や事故などで失ってしまった体の組織を根本的に元通りにすることを目指しています。

人間の再生能力は「幹細胞」によって支えられています。幹細胞とは血液や皮膚、脂肪のように消えていく細胞の代わりを作り続ける「組織幹細胞」と、体の細胞であればどのような細胞でも作り出すことができる「多能性幹細胞」の大きく2種類に分けられます。

<組織幹細胞>

組織幹細胞はどんな細胞にでもなれるわけではありません。血を作る「造血幹細胞」であれば血液系の細胞、「神経幹細胞」であれば神経系の細胞のみにしかなれないとされています。組織幹細胞の中でも間葉系幹細胞は骨髄や脂肪、歯髄、へその緒、胎盤などの組織に存在する体性幹細胞の一種で、さまざまな細胞に分化できる能力を持つ細胞です。

<多能性幹細胞>

体の様々な組織幹細胞を作り出すことができる細胞です。胚の内部細胞塊を使って作られた「ES細胞(Embryonic Stem Cell)」や、人工的に作った多能性幹細胞「iPS細胞(Induced Pluripotent Stem Cell)」などがこれにあたります。

┃2.具体的な治療方法と効果のある病気

再生治療は腰椎椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、脳卒中、脊髄損傷、動脈硬化、変形性関節症、腰椎症、パーキンソン病、心不全、肝硬変など様々な部位の改善で用いられています。

疾患を治すだけでなく、美容でも主に肌の治療で活用されています。コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸などの美肌成分を生成する幹細胞である「線維芽細胞」を移植し、増やすことで肌細胞を活性化。しわ、たるみなどの老化症状が起きていても、次第にハリや弾力が戻ってきます。

┃3.再生医療の具体的な治療法

再生医療と一言で言っても、様々な治療法があります。ここでは主な再生医療をまとめました。

<PRP療法・PFC-FD療法>

患者自身から採取した血液から血小板を取り出して、傷ついた組織に注入し、修復を促す方法。治療には血小板濃度を高めた「血漿」を使います。

【主な適応疾患】

  • 腰椎椎間板ヘルニア
  • 腰部脊柱管狭窄症
  • 頸椎神経根症変形性関節症(膝・足関節など)
  • 靭帯損傷(肘・膝・足関節など)
  • 膝関節軟骨損傷
  • 半月板損傷
  • 膝蓋腱炎上腕骨外側上顆炎(テニス肘)
  • 肘内側側副靭帯損傷(内側型野球肘)
  • アキレス腱炎
  • 足底腱膜炎肉離れ
  • 肩腱板損傷
  • 手関節TFCC損傷など

PRP療法について詳しくは、以下の記事でも解説しています。

>>PRP療法って何?自分の血液から作る再生医療の選択肢

<ASC治療(脂肪由来幹細胞治療)>

患者自身の体から採取した脂肪細胞をもとに幹細胞を培養し、幹部に注射することで傷ついた組織を修復する再生治療。従来はできなかった軟骨などの修復が可能です。

【主な適応疾患】

  • 脳卒中
  • 椎間板ヘルニア
  • 脊柱管狭窄症
  • 脊髄損傷
  • 加齢による身体的生理機能の低下
  • スポーツ外傷などによる運動器障害
  • 動脈硬化
  • 慢性疼痛
  • 認知機能障害
  • 神経変性疾患
  • 慢性肺疾患
  • 心不全
  • 慢性腎臓病
  • 肝機能障害
  • 炎症性腸疾患
  • 動脈瘤
  • 糖尿病
  • 不妊症
  • 脱毛症など

幹細胞治療について詳しくは、以下の記事でも解説しています。

>>損傷した脊髄を再生させる再生医療「幹細胞治療」とは?

<幹細胞培養上清液(エクソソーム点滴)>

エクソソーム点滴療法は、エクソソームを血管内に点滴投与し全身に届けることで、血管内皮組織の抗炎症、抗酸化を促進。弾力のあるしなやかな血管へと導く治療です。定期的な投与により血管の新生も促し、全身の健康維持や身体と脳のパフォーマンス向上を見込むことができます。

【主な適応疾患】

  • 神経後遺症
  • 顔面神経麻痺
  • 椎間板ヘルニア
  • 脊柱管狭窄症
  • 脳卒中
  • 自閉症
  • AGA/FAGAなどの薄毛の改善
  • 疲労回復
  • 腰痛などの軽減
  • アンチエイジング効果

┃4.再生医療の副作用について

自分自身の細胞を採取し治療を行うので、化学物を使った薬での治療よりも体の拒絶反応も少なく、副作用はほとんどありません。ただし、体の中に幹細胞を戻す際、関節などが急激な変化に耐えられず、幹部に痛みや腫れが出ることも。炎症を起こしているわけではないので、症状は数日で収まることがほとんどです。

┃5.まとめ

再生治療はまだまだ可能性を秘めた分野で日々研究が進められています。現在、根本治療が難しいとされている病気も将来、治せる病気になっている日が来るかもしれません。

┃YouTubeでも医療知識を紹介しています

今回の内容はYouTubeでも田中院長がお話ししています。そのほかにも様々ありますので、ぜひご覧ください。

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